円が再び下落、株価持ち直しでリスクオン復活-対ドルで一時98円43銭

東京外国為替市場の円相場は午後の 終盤にかけて再び下落した。一時はマイナス圏で推移した日本株が結局 は高く引けたのを受けて、リスク選好的な円売りが優勢となった。対ド ルでは一時1ドル=98円43銭を付けた。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子氏は、ドル・円相場 の動きについて、「株価にらみの主体性のない展開。株価がマイナス圏 に落ちたタイミングで円高が進み、ドル・円は97円87銭まで下げた。し かし、株価が切り返したことで98円台に戻している」と解説した。

朝方は前日発表のあった米国の7月小売売上高が4カ月連続で増加 したことを受けて、ドル買いがやや優勢で始まった。米連邦準備制度理 事会(FRB)が9月にも金融緩和縮小を始める可能性があるとの観測 がドルを支えた。一方、円は売られ、午前の取引後半にかけて主要16通 貨のほとんどの通貨に対して前日終値比で下落した。

ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の為替戦略共同責任 者、レイ・アトリル氏(シドニー在勤)は、「ドルはやっと明確な支援 材料を得たようだ。米国債市場は量的緩和の縮小をかなり織り込みつつ あり、再び利回りが若干上昇し、ドルの押し上げ要因となっている」と 述べていた。米国の10年債利回りは前日に引き続き2日以来の高水準と なる2.7%台で推移した。

午後の東京株式相場でTOPIXと日経平均株価がともにマイナス 圏に突入した局面では、円が一時的に上昇したものの、株価が持ち直し たのに伴い、円売りが再び優勢となり下落に転じた。東京時間のドル・ 円は結局、98円を挟んで上下した。

欧州GDP

円はドルと同様に対ユーロでも売り買いが交錯した。この日の日中 の高値と安値は1ユーロ=129円84銭と130円66銭。株価動向をにらみな がら朝方の水準である130円25銭前後を中心に上下した。ユーロ・ドル 相場は1ユーロ=1.3260ドル前後で推移した。

フランス国立統計経済研究所(INSEE)が日本時間午後に発表 した4-6月期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.5%増、前 年同期比0.3%増となった。また4-6月期のドイツGDPは前期 比0.7%増加、前年同期比0.5%増加だった。

ブルームバーグ調査のエコノミスト予想はフランスが前期比0.2% 増、前年同期比0.1%減、ドイツが前期比0.6%増加、前年同期比0.2% 増加が見込まれていた。

外為どっとコム総研のジェルベズ氏は、「フランスのGDPは良い 数字だった。欧州市場の初期の反応を見極めたい。フランス、ドイツの GDPが良い数字になれば、欧州株も底堅い展開が見込まれ、目先は円 が売られる展開ではないか」とみていた。

--取材協力:大塚美佳、Kristine Aquino、Mariko Ishikawa. Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE