ドル・円が一時96円割れ、GDP下振れで株安進行を警戒

東京外国為替市場ではドル・円相場 が一時1ドル=96円台を割り込んだ。日本の4-6期の国内総生産(G DP)速報が市場予想を下回ったことを受け、株安警戒感から円買いが 先行した。

96円台前半で週明けの東京市場を迎えたドル・円は、GDP発表後 に95円93銭まで円高が進行。しかし、95円台の滞空時間は短く、日本株 が一時上昇に転じた午前の取引終盤にかけては96円64銭まで円売りが進 み、午後は96円台半ばで一進一退の展開となった。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは GDPが市場予想を下回ったことで、消費増税の延期などの議論が強ま る可能性があり、改革姿勢の後退を警戒する海外ヘッジファンドなどの 株売り、円買いの材料になると指摘。半面、ドル・円の96円台割れは 「押し目買いしたい人たちにとっては悪くないレベル」だとし、ここか ら円高が加速する可能性は低いと話していた。

ユーロ・円相場はGDP発表後に一時1ユーロ=127円98銭まで円 高が進行。その後128円73銭まで円が売られる展開となった。ユーロ・ ドル相場は1ユーロ=1.33ドル台前半でもみ合った。

GDP

内閣府が発表した4-6月の実質GDP速報値は前期比年率2.6% 増と、3四半期期連続でプラス成長となった。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト調査の予想中央値は同3.6%増だった。

池田氏は、GDPは市場予想を下回ったが、在庫がマイナスに大き く寄与しており、企業が慎重な生産を維持しているという意味では「7 -9月にはむしろ増産余地が出てくるということなので、内容的には全 く悪くない」と分析。「私自身は消費税率引き上げに十分耐えうる成長 力の高まりとみている」と語った。

一方、ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の村田雅志通貨 ストラテジストは、デフレーターのマイナス幅が縮小したことで、「戦 力の逐次投入はしないという日銀の方針から考えると、追加緩和という 線はなくなってきた」とし、「景気が良くなってきたから円を売るとい うのは難しくなってきている」と話した。

共同通信によると、安倍晋三首相はGDP速報の発表を受け、「順 調に景気は上がってきている」との認識を示した。政府は消費税率の引 き上げ計画について、今年9月上旬に発表される4-6月期のGDP改 定値を踏まえて最終判断し、必要な修正を加えた上で、正式に閣議決定 する方針。甘利経済再生相は、GDPについて、消費増税の判断材料の 1つとしては引き続き良い数字出たと述べた。

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