【今週の債券】長期金利0.7%台の下限探る、日銀オペで-売りに警戒も

今週の債券市場で長期金利は0.7% 台の下限を探る展開が予想されている。日本銀行による長期国債買い入 れオペによる需給の良さを背景に金利に低下圧力が掛かる見通し。一 方、0.7%台前半の水準では売りが増えるとの見方も出ている。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが9日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.70%-0.79%となった。予想レンジの下限0.70%に達すれば5 月10日以来の低水準となる。前週末終値は0.755%だった。

前週の長期金利は7日に0.75%と約3カ月ぶりの低水準を付けた。 日銀の長期国債買い入れオペによる需給改善や株安・円高が進行したこ とも買い手掛かりとなった。もっとも、その水準から買い進む動きはな く、いったんは0.7%台後半に上昇。週末には再び0.75%まで低下する 場面があった。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「日銀の買いオペは続 くため、需給面には追い風だ」と指摘。一方、「金利水準では、日銀緩 和を前提にしなければ中期ゾーンを買い進むことは難しい。焦点は投資 家が4-6月の10年債の平均コスト0.74%付近での利益確定売りを踏み 止まり、日銀主導のブル・フラット化を受容するかだ」とみている。

12日に今年4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値が発表さ れる。9月9日の改定値と合わせて、政府が消費税率引き上げに踏み切 るかの重要な指標となるため注目されている。ブルームバーグ・ニュー スによる調査では前期比0.9%増、年率換算では3.6%増が予想されてい る。1-3月の4.1%増に続いて高い伸びが見込まれている。

5年債入札

13日に5年利付国債の入札が実施される。新発5年債利回りは7月 以降、おおむね0.2%台後半を中心とするレンジで推移しており、前週 末は0.285%で取引を終えた。表面利率(クーポン)は前回債と同水準 の0.3%となる見込み。発行額は2兆7000億円程度。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は9月物、10年国債利回りは329回債。

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物9月物143円60銭-144円40銭

10年国債利回り=0.72%-0.79%

「GDP統計には注目が集まる。4-6月期の実質GDPが年率 3%台の成長であれば問題ないが、予想から下振れると消費増税の判断 に影響及ぼすリスクがあり、債券、株式市場に売り材料となりかねな い。足元の金利水準での買いには手控え気味でも、根強い押し目買いが 需給を引き締めており、日銀の国債買い入れオペも金利上昇を抑制する とみている。一方、10年債利回り0.75%以下では売り意向が強い」

◎クレディ・スイス証券の宮坂知宏債券調査部長

先物9月物143円80銭-144円30銭

10年国債利回り=0.73%-0.78%

「国内金利は上昇要因に乏しく、日銀の買い入れという最大の需給 要因を背景にじりじりと低下しそうだ。生保による超長期債の買いは、 絶対金利水準や新規資金の面で昨年ほどの勢いはなく、少しずつ押し目 買いを入れる姿勢だろう。ただ、国内債回帰の傾向に変わりはなく、利 回り曲線のスティープ化の圧力は日銀の買い入れで抑えられるだろう。 5年債入札も、日銀への売却を前提にした買いが入るため問題ない」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物9月物143円60銭-144円50銭

10年国債利回り=0.70%-0.79%

「4-6月の実質GDPは前期比0.9%増の強い数字が予想されて いる。輸出が思ったほど伸びていないので、今後の見通しを見極めた い。5年債入札は、日銀が長期国債買い入れオペで購入しているので、 その対応で需要があるとみている。米経済指標を見つつ、量的緩和縮小 に対する見方も引き続き注目されている」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors: 崎浜秀磨, 山 中英典

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