8月9日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:通貨ボラティリティーが低下、円は上昇

9日のニューヨーク外国為替市場では通貨のボラティリティーを示 す指数が低下した。トレーダーは米金融当局が来月に緩和策を縮小でき るほど米国の景気は改善しているかどうか見極めようとしている。

円は対ドルで上昇。国債や借入金などを合計した日本の債務残高が 初めて1000兆円の大台を突破したことを受け、市場では財政立て直しの ために消費税を増税するとの見方が強まった。JPモルガン・チェース のG7ボラティリティ指数は9.11%と7月24日以来の低水準をつけた。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は、「緩和策縮小見通し を見直している」と述べ、「投資家は米金融当局が9月に行動するとの 予想を後退させ、12月の実行を有力視している」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.5%下げて1ドル =96円21銭。週間ベースでは2.8%下げた。これは6月14日までの週以 来で最大の下げとなった。ドルは対ユーロで0.3%上げて1ユーロ =1.3342ドル。前日は6月19日以来の安値となる1.34ドルまで下げた。 ユーロは対円で0.8%下げて1ユーロ=128円39銭。

ブルームバーグ米ドル指数

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ米ドル指数は ほぼ変わらずの1016.93。前日は1015.49と、6月19日以来の最低だっ た。週間ベースでは1.2%下げた。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング (DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによ ると、外為オプションの店頭取引は合計120億ドル。前日は250億ドルだ った。この日の総額のうち対円でのドルのオプション出来高は25億ド ル、シェアは17%で最大だった。

米金融当局は毎月、政府支援機関の住宅ローン担保証券を400億ド ル、期間が長めの米財務省証券を毎月450億ドルのペースで購入してい る。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長は、5月と6月に債 券購入策の完了見通しについて言及した。また金融政策当局者も緩和策 の縮小開始について前向きな見解を述べた。

米シカゴ連銀のエバンス総裁は6日、9月に緩和縮小を開始する決 定を明確には「排除しない」と語った。またクリーブランド連銀のピア ナルト総裁は7日に、「労働市場が昨年秋からの力強い道筋を維持した 場合は、私は毎月の資産購入の規模縮小に備えるだろう」と述べた。

ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替スト ラテジスト、エリック・ビロリア氏は、「過去数カ月間でボラティリテ ィーはかなり低下した」と指摘、「これは市場が金融当局による次の動 きを見極めようとしていることにも関連している」と続けた。

日本の債務残高

財務省が9日発表したところによると、日本の債務残高は今年6月 末現在で1008兆6281億円となった。経済規模に対比させた日本の債務残 高は世界最大規模。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは過去1カ月間で3.7%下落、ユーロは1%上昇、円 は1.8%上げた。

原題:Currency Volatility at Almost Lowest Since May on Fed; Yen Gains(抜粋)

◎米国株:反落、ETFから資金流出-緩和縮小の兆候も圧迫

米株式相場は反落。株式上場投信(ETF)からの資金流出が進 んだ。米金融当局が年内に緩和策を縮小するとの兆しが増えているこ とも材料視された。S&P500種株価指数は週間ベースでは6月以来 の大幅安。

ギャップは安い。7月の既存店売上高は伸びがアナリスト予想を下 回った。JCペニーも下落。同社の経営者人事をめぐり会長と筆頭株主 であるウィリアム・アックマン氏率いるパーシング・スクエア・キャピ タル・マネジメントの意見が対立している。一方、鉄鉱石生産会社クリ フス・ナチュラル・リソーシズは高い。中国の工業生産が市場予想を上 回る伸びとなったことを受け、金属相場が上昇したことが手掛かり。

S&P500種株価指数は前日比0.4%安の1691.42で終了。ダウ工業 株30種平均は72.81ドル(0.5%)下げて15425.51ドル。

ミューチュアル・ファンド・ストアのクリス・ボウファード最高投 資責任者(CIO)は電話インタビューで、「緩和縮小が注目されてい るほか、最近の高値更新を消化しようとしている」と指摘。「今週はあ まりニュースがなかった。正常な消化のプロセスであり、市場は最近の 急ピッチな上昇を受けて落ち着きどころを探っている」と述べた。

S&P500種は今年に入って19%上昇しており、今月2日には終値 での最高値1709.67を記録した。同指数は今週は1.1%安と、週間では6 月21日終了週以来の大幅な下げ。ダウ30種平均は週間では1.5%下落 し、7週間ぶりの下げとなった。

緩和縮小観測

ブルームバーグがまとめたデータによると、ETFから過去4日間 にほぼ12億ドルの資金が流出した。7月は月間の資金流入額が約320億 ドルと、2008年9月以来で最大となっていた。

今週はシカゴ連銀のエバンス総裁、クリーブランド連銀のピアナル ト総裁、ダラス連銀のフィッシャー総裁がそれぞれ発言し、労働市場の 回復を背景に緩和縮小が近づいている可能性があるとの見方を示した。

ドイチェ・アセット・アンド・ウェルス・マネジメントのイボ・バ イノエル氏は「市場は少なくとも適正価格の状態だ」と指摘。「S& P500種は過去2年間に大幅に上昇してきている。純粋にファンダメン タルズな観点からすると、上値余地はあまりなさそうだ」と述べた。

S&P500種の業種別10指数中、この日は9指数が下落。通信株指 数は1%安と5日続落。週間では2.5%下げた。AT&Tは1.4%安。

ギャップやJCペニーが安い

ギャップは3.1%安。7月の既存店売上高は1%増加と、アナリス ト予想の1.6%増に届かなかった。「オールド・ネイビー」と「バナ ナ・リパブリック」のブランドが不振だった。

JCペニーは5.8%安と、過去9営業日では8日目の下落。アック マン氏は前日に書簡でマイロン・ウルマン最高経営責任者(CEO)の 速やかな退任を要請。JCペニーのエンジバス会長は、ウルマン氏は取 締役会の圧倒的な支持を得ていると述べた。

クリフス・ナチュラルは11%高と、S&P500種の値上がり率トッ プ。アルコアは3.9%上げて、ダウ30種平均の上昇率トップ。フリーポ ート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドは2.6%高。

原題:U.S. Stocks Fall as Investors Pull Money, Weigh Stimulus Timing(抜粋)

◎米国債:10年債利回り、約3週ぶりの小幅レンジで推移

米国債市場では10年債利回りが約3週間ぶりの小幅なレンジで 推移した。市場では、金融当局が9月に債券購入の縮小を開始するか どうかをめぐり憶測が飛び交っている。

10年債利回りは週間ベースでは3週間ぶりに低下となった。米財務 省は今週、発行総額720億ドルの国債入札を実施。10年債入札の規模 は240億ドルだった。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「米国債のボラティリ ティ(変動性)は極めて小さい」とし、「今週は注目すべき指標がほと んどなかった。金融当局は9月に緩和縮小を始めるだろう。それがコン センサスだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.58%。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還) 価格は3/32上げて99 10/32。

利回りは3.49bpの範囲で推移。このレンジは7月22日以降で最小 となる。

30年債利回りは3.63%と、7月31日以来の低水準。今週は5bp下 げた。

ボラティリティ

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米 国債の出来高は1470億ドルと、1日当たりの出来高としては年初来で最 低。年初来の平均は3142億4000万ドル。

メリルリンチ・オプション・ボラティリティ・エスティメート( MOVE)指数は75.4。7月5日には117.89と、2010年12月以来の高水 準を付けていた。年初来の平均は67.39。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「金 融当局が考える縮小の時期に関して、市場は手掛かりを得ようと何らか の情報を待っている」と発言。「市場は金融当局が9月に緩和縮小を始 めるとの確証を求めていた。相場を動かすには、新たな材料が必要だ」 と述べた。

ニューヨーク連銀のウェブサイトによれば、同連銀は2036年2月か ら43年5月に償還を迎える米国債を12日に最大17億5000万ドル買い入れ る。

金融当局者の見解

金融当局者は今週、緩和策の縮小開始に対して前向きな姿勢を強め ていることを示唆した。シカゴ連銀のエバンス総裁は6日、9月の連邦 公開市場委員会(FOMC)での緩和縮小開始の決定を排除しないと し、「労働市場で好ましい改善が見られ、それについて疑いの余地はな い」と述べた。

クリーブランド連銀のピアナルト総裁は7日、「労働市場が昨年秋 からの力強い道筋を維持した場合は、私は毎月の資産購入の規模縮小に 備えるだろう」と語った

ダラス連銀のフィッシャー総裁は独紙ハンデルスブラットとのイン タビューで、経済指標が大幅に悪化しない限り、当局は9月に債券購入 縮小を始めるべきだと述べた。

原題:Treasuries in Narrowest Range in 3 Weeks on Fed-Tapering Views(抜粋)

◎NY金:3日続伸、中国での需要増加の観測-商品全般に買い

ニューヨーク金先物相場は3日続伸。中国経済が持ち直しつつ ある兆しを背景に、同国で需要が増加するとの観測が強まった。中 国は金輸入で世界2位。

中国の7月の工業生産は市場予想を上回る伸びとなった。前日の統 計によれば、同国の輸出入も7月に増加した。商品24銘柄で構成する S&PのGSCIスポット指数は6営業日ぶりに上昇し、一時1.1% 高。亜鉛やニッケルが上げを主導したほか、プラチナは8週間ぶりの高 値をつけた。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘ ッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「中国の 景気改善に伴い、同国からの需要が高まるとの楽観がある」と指摘。 「工業用金属の強気なムードも金や銀の支えになっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.2%高の1オンス=1312.20ドルで終了した。

原題:Gold Rises for Third Straight Day on Bets China Demand Will Rise(抜粋)

◎NY原油:6日ぶりに上昇、中国の工業生産増加を好感

ニューヨーク原油先物相場は6日ぶりに上昇。世界2位の石油消 費国である中国の工業生産が予想を上回る伸びを示したことが買いを 誘った。

中国の国家統計局が9日発表した7月の工業生産は前年同月 比9.7%増。ブルームバーグがまとめた予想を0.8ポイント上回った。国 際エネルギー機関(IEA)は9日に公表した月報で、最近の石油市場 には「力強さの兆し」がうかがえると指摘した。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「中国 の工業生産統計は素晴らしい内容だった」と話した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比2.57ドル(2.49%)高の1バレル=105.97ドルで終了。週間で は0.9%下げた。

原題:Oil Rises First Time in Six Days on China Industrial Output Gain(抜粋)

◎欧州株:10週ぶり高値、中国の工業生産を好感-KPN高い

9日の欧州株式相場は上昇し、指標のストックス欧州600指数は 5月以来の高値に達した。中国の工業生産が予想を上回る伸びとなっ たことを手掛かりに、鉱山銘柄が買われた。

資源株指数は約11カ月ぶりの大幅上昇。オランダの電話会社ロイヤ ルKPNは1年3カ月ぶりの大幅高。資産家カルロス・スリム氏が率い るメキシコの携帯電話サービス会社、アメリカ・モビルから買収案を提 示されたことが買い材料。一方、スイスの食品メーカー、ネスレは3日 続落。

ストックス欧州600指数は前日比0.6%高の305.92で終了。前週末比 では0.6%上げた。欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中 銀)が長期にわたり低金利を継続すると表明したことを背景に、同指数 は6月24日に付けた安値から11%上げている。

クレディ・スイス・グループ(チューリヒ)の投資戦略責任者、ア ンニャ・ホッホベルク氏は「決算シーズンが終わりに近づき、市場の関 心はマクロ経済に戻るだろう。この面では最近、経済環境が改善した明 らかな兆候が見られる」と発言。「最近弱かった中国経済のデータは安 定しつつあるようだ」と語った。

9日の西欧市場では18カ国全てで主要株価指数が上昇した。

中国国家統計局がこの日発表した7月の工業生産は前年同月 比9.7%増と、ブルームバーグがまとめたアナリストの予想中央値 (8.9%増)を上回った。

原題:Europe Stocks Rally to 10-Week High as KPN Jumps on Takeover Bid(抜粋)

◎欧州債:スペイン債続伸、ユーロ圏GDP控え-独国債ほぼ変わらず

9日の欧州債市場ではスペイン国債が4日続伸。10年債利回り は2カ月ぶり低水準となった。エコノミスト予想では来週発表される 経済統計がユーロ圏のリセッション(景気後退)脱却と鉱工業生産の 増加を示す見通しで、これを手掛かりに高利回り資産を求める動きが 強まった。

ギリシャ国債も買われ、週間ベースでは5週続伸となった。一方、 ドイツ国債は今週下げた。比較的安全とされる資産の需要が後退したた めだ。9月のドイツ議会選挙と米連邦公開市場委員会(FOMC)を控 え、独国債の先物の取引高は今週減少した。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ス タメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は「周辺国へのセンチメントが 改善した。来週発表の経済統計が改善を示すはずだからだ」とし、「こ うした背景や低いボラティリティが現時点でスペイン国債を支える要因 となっているようだ」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前日比2ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.50%。一時は4.48% と、6月6日以来の低水準となった。前週末比では7bp下げた。同国 債(表面利率4.4%、2023年10月償還)価格はこの日、0.18上 げ99.245。

エコノミスト調査によれば、13日発表のドイツの欧州経済研究セン ター(ZEW)がまとめた8月の独景況感指数は39.9と、7月の36.3か ら上昇すると見込まれている。14日発表のユーロ圏の4-6月(第2四 半期)域内総生産(GDP)は前期比0.2%増となる見通し。1-3月 (第1四半期)まで6四半期連続のマイナス成長だった。

ギリシャ10年債利回りは4bp低下し9.72%。週間ベースでは22b p下げた。ドイツ10年債利回りはほぼ変わらずの1.68%。前週末比では 3bp上昇。

英国債相場は値上がりし、10年債利回りは前日比2bp低下 の2.46%。7日には2.56%と、6月25日以来の高水準となった。前週末 比では3bp上昇。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)価格 は94.26。

原題:Spanish Yields Drop to Two-Month Low Before Euro-Area GDP Report(抜粋) Pound Set for Biggest Weekly Gain in a Month as Deficit Narrows (抜粋)

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