在外米国人の市民権放棄、昨年の6倍-本国での税申告を敬遠

米国の市民権を放棄した人の数は4 -6月(第2四半期)に前年比で6倍に増えた。資産開示に関する規定 の厳格化を控えていることが背景にある。

9日公表された連邦公報のデータによれば、4-6月期に各国の米 大使館で市民権放棄の手続きを行った人は1131人と、前年同期の189人 から大幅に増加。今年1-6月(上期)では1810人となる。2008年には 年間でも235人だった。

財政赤字を削減する必要性に迫られている米政府は、スイスなど国 外の地を利用した課税逃れの取り締まりを強化している。経済協力開発 機構(OECD)の加盟国中で、居住地にかかわらず国民に課税してい るのは米国のみ。スイスやドイツの銀行の間で米国民向けの海外口座取 り扱いを敬遠する動きが出ているほか、外国口座税法順守法 (FATCA)施行に伴う資産開示規定の厳格化も控えており、600万 人と推定される国外居住の米国市民の間では、市民権保持に伴うコスト について真剣に考える人が増えている。

アナフォード(スイス)の米国税務専門弁護士、マシュー・レドビ ナ氏は「FATCAの施行が迫っていることから、本国での税申告の義 務があることに気付く米国民が増えている」と指摘。「そうすると米国 の市民権を放棄するという決断に至るわけだ」と続けた。

FATCAでは米国外の金融機関に対し、米国の納税者または米国 の納税者が相当の持ち分を有する外国企業が保有する金融口座に関し、 米内国歳入庁(IRS)に情報を報告することを義務付けている。課税 に関する議会の合同委員会は、FATCA導入により向こう10年間で87 億ドル(約8400億円)の税収が見込めると試算している。

原題:Americans Giving Up Passports Jump Sixfold as Tougher Rules Loom(抜粋)

--取材協力:Giles Broom、Ian Katz. Editors: Keith Campbell, Simone Meier

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