韓国の原発停止、猛暑に電力不足-証明書偽造問題で

ソウル市民にとって、部品の性能証 明書の偽造が行われた原発4基を稼動しないとする韓国政府の決定は猛 暑の中での電力不足を意味し憂鬱(ゆううつ)の種となっている。

リ・ジンゴンさん(60)は「昼も夜も不安でならない」と、ソウル から南東に車で4時間かかるヤンナムにある停止中の原発を指差した。 「福島第一原発事故があってから、原発の安全性に不安になった。いま は不安がさらに強まっている」と話し、地元住民の反対運動が起きてい ることを付け加えた。

リさんは福島第一原発事故を機に韓国で高まっている反原発運動の 中心的存在。原子炉部品の性能証明書を偽造する問題が発覚したことで 反原発運動はいっそう支持を集めている。原発23基を運営している韓国 水力原子力発電のキム・キョンソプ総裁は責任を取り辞任した。

韓国政府は年末までに原発の役割に「社会的な責任」を反映させた エネルギー政策の見直しを発表する方針を示した。政府は2027年までに 約60%増える国内電力需要に対応するために原発の増設を計画してい た。

世論調査によると、原発は受け入れられないとの声が高まってい る。世論調査機関ハンギル・リサーチが3月に行った調査による と、63%が国内の原発は安全ではないと回答した。1年前に非営利機 関、韓国環境運動連合が行った調査では、同回答は54%だった。

原発で孤立

全国農業協同組合の地区支部長も務めるリさんはヤンナムで、原発 の安全性に対する懸念によって地域のコメなどの農作物の売れ行きに損 害が出ていると指摘した。

リさんはインタビューで「だれもこんなところに来て住みたくな い。私たちは孤立している」と述べた。

韓国の原発稼働が始まったのは1978年。それ以後、22基の原発が建 設され、国内電力の約30%を供給している。5基が建設中で、24年まで にさらに6基が建設される予定。

原題:False Reports After Fukushima Bolster Anti-Nuclear Korea: Energy(抜粋)

--取材協力:Sangwon Yoon. Editors: Stuart Biggs, Peter Langan

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