債券先物反発、需給の良さや株軟化で買い優勢-30年債入札結果は低調

債券先物相場は小幅に反発。きょう の30年債入札結果が低調となったため、いったんは売りが増える場面が あったものの、応札倍率が高水準となるなど需給の良さや株価の軟化を 背景に買いが優勢となった。現物債も横ばい圏で底堅く推移した。

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比4銭安の143円97銭で開 始し、午前9時すぎに14銭安の143円87銭まで下げた。直後から買いが 入って下げ幅を縮めたが、午後零時45分の入札結果発表後には143円90 銭まで下落。その後は株価が軟調に推移する中で買いが優勢になり、一 時144円10銭と日中取引で5月10日以来の高値を付けた。取引終盤にか けては下げに転じる場面もあり、結局は1銭高の144円02銭で引けた。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー は、日経平均株価の一時マイナス転換や円高が債券先物相場を支えたと 説明した。30年債の入札結果は問題ないと分析。「証券会社の買い戻し が入ったが、投資家の需要が足りなかった分だけテールが流れた。た だ、投資家はきのうまで前倒し気味に買っており、超長期ゾーンの需給 はニュートラルの状況だろう」と語った。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の329回債利回 りは前日比1ベーシスポイント(bp)高い0.765%で始まったが、徐々に 水準を切り下げ、午後1時半前には0.75%に低下。7日に付けた5月13 日以来の低水準に並んだ。その後は横ばいの0.755%。5年物の113回債 利回りは0.5bp高い0.285%で開始し、午後に入ると横ばいの0.28%で取 引された。

20年物の145回債利回りは0.5bp高い1.69%で始まり、午後2時前後 に1.68%に低下。前日に付けた1カ月ぶり低水準に並んだ。30年物の39 回債利回りは午前に0.5bp低い1.79%と6月13日以来の低水準を付け た。午後に入ると一時1.805%に上昇したが、その後再び1.79%に下 げ、午後2時40分前後からは横ばいの1.795%で推移した。

財務省がこの日実施した表面利率1.9%の30年利付債(39回債、8 月発行)の入札結果によると、最低落札価格は101円85銭と市場予想 を25銭下回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格 の差)は26銭と前回の1銭から急拡大。ただ、投資家需要の強さを示す 応札倍率は4.14倍と昨年10月以来の高水準となった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券ストラ テジストは、30年債入札はやや弱めだったとし、「テールは拡大し、最 低落札価格は予想を下回ったが、応札倍率は高めだった」と分析。もっ とも、「事前に30年債利回りが低下していた。需給というよりも、先回 り的な買いでフラット化したため」だとも話した。

東京株式相場は3日ぶりに小反発。TOPIXは午前に前日比1% 超上昇する場面もあったが、午後には下落に転じ、結局は0.1%高 の1140.91で引けた。東京外国為替市場では円が対ドルで1ドル=96円 台後半。前日の海外市場では一時95円81銭と6月19日以来のドル安・円 高水準を付けた。

財務省は9日午後、国債や借入金などを合計した国の債務残高が今 年6月末現在で1008兆6281億円となり、初めて1000兆円の大台を突破し たと発表。前年度末時点から17兆270億円増えた。うち国債が830兆4527 億円と、同8兆9786億円増加した。

--取材協力:赤間信行 Editors: 山中英典, 青木 勝

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