巨額調達のJトラスト、買収で「楽天モデル」目指す

東証2部上場のノンバンクJトラス トの藤澤信義社長(43)は、株主割り当て増資の一種であるライツイシ ューで調達した資金を顧客拡大に向けた企業買収に使う考えを明らかに した。一度に多数の利用者を囲い込むことができるネット関連企業の取 得などを念頭に金融事業以外への多角化も進めていく方針だ。

同社は7月に1000億円近くを調達した。藤澤社長はインタビューで 手持ち資金と合わせた約1300億円が買収などの原資になるとし、インタ ーネット上で会員網を広げ成長してきた楽天や、ヤフーなどを今後目指 すビジネスモデルの例に挙げた。民事再生手続き中でスマートフォン向 けアプリなどを手掛けるインデックスの事業売却の1次入札に参加して いることも明らかにした。

Jトラストは、倒産したロプロや武富士から事業ごと取得した債権 の回収やクレジットカード業務が柱。理論的に既存株の希薄化を伴わな いライツイシューによる調達を検討してきたが、アベノミクスの下で金 融株が急上昇する中、この手法では国内で過去最大となる977億円を集 めた。同社の時価総額約2500億円の4割に上る規模だ。

藤澤社長は「消費者金融事業は刈り尽くした感がある。大型資金調 達で体力を付け、新たな事業展開を目指したかった」とし、「当初予定 と同じ株数で2倍の資金が調達できた」と述べた。企業買収や投資では ネット関連企業だけでなく、東南アジアの銀行への少額出資や国内クレ ジットカード会社など金融分野でも買収を検討していく考えだ。

「武富士」ブランドは廃止

また藤澤社長は消費者金融事業では3月に武富士ブランドを廃止し ていたことを明らかにした。昨年後半に全国でCMを展開し、「ブラン ド力は高く反響はあったが、倒産のイメージからかなかなか契約につな がらなかった」ためという。アコム、プロミス、レイクを含めた旧大手 ブランドの中で最初に使われなくなったことになる。Jトラストは今 後、地方銀行などの個人ローン保証に軸足を移す。

Jトラストは海外金融事業では、韓国の小規模金融機関である親愛 貯蓄銀行を買収し傘下に収めている。藤澤社長のインタビューは8月5 日に行った。Jトラストが取得に興味を示すゲーム会社、インデックス の事業譲渡の入札では、事情に詳しい関係者によれば、セガサミーホー ルディングスを含む約20社が関心を示している。

ノンバンク業界に詳しいスタッツインベストメントマネジメントの 大木昌光シニアファンドマネジャーは、「これだけ大量の調達資金をど こに注ぎ込むのか、これまで市場は期待と疑念が入り混じった状況だっ たと思う」と述べた。その上で利益成長に直接つながる即効性のある買 収の成否が今後の焦点になるとの見方を示した。

Jトラストの9日の株価は一時前日比で7.6%安まで下落した後、 同80円(3.7%)安の2075円で取引を終了した。

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