8月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル5日続落、米金融緩和の縮小見通し後退-ユーロ上昇

8日のニューヨーク外国為替市場ではドルが5日続落。米金融当局 が来月に緩和策を縮小できるほど米国の景気は改善していないとの観測 が広がったほか、テクニカルな動きもドル売りを促した。

ドルは対ユーロで7週ぶり安値をつけた。ストップロスの売り注文 が発動されるとみられる節目の水準に接近した。来週は第2四半期のユ ーロ参加17カ国の総生産が発表されるが、事前予想ではプラスの伸びが 見込まれている。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏は、市場参加者は「米国の緩和策縮小見通しを見直している。9月 に実行される可能性はあまりないとの見方に傾いてきた」と述べ、「た とえ縮小が始まったとしても、市場が予想していたほど積極的ではない だろう」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10通貨に対するブルームバーグの 米ドル指数は0.4%下げて1017.11。ユーロは対ドルで0.3%上昇し て1.3381ドル。ユーロは円に対しては0.7%高の1ユーロ=129円36銭。 円は対ドルで0.4%下げて1ドル=96円67銭。

テクニカルな見方

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.3%下げて81.039と、200日移動平均を下抜けた。同指数 は80.70を節目として、2011年5月から続く上昇局面を試す展開とみら れている。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロ・ドルではストップロ スが仕掛けられている重要な領域に近づきつつある」と述べ、「投資家 はこの領域を見極めようとしている」と続けた。

独連邦統計庁が発表した6月の輸出(営業日・季節調整済み)は前 月比0.6%増加。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト13 人の予想中央値では0.9%増が見込まれていた。5月は2%減に修正さ れた。また、中国税関総署の8日の発表によると、7月の輸出は前年同 月比5.1%増加した。

EUのGDP予想

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、欧州連合 (EU)統計局(ユーロスタット)が14日発表する域内総生産 (GDP)は前期比0.2%増が見込まれている。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは年初から5.6%上昇。ドルは3.9%高、円は7.9%の下 落。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング (DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによ ると、外為オプションの店頭取引は合計250億ドル。前日は300億ドルだ った。この日の総額のうち対円でのドルのオプション出来高は85億ド ル、シェアは34%と最大だった。

日本銀行は金融政策決定会合で政策方針の現状維持を全員一致で決 定した。日銀の金融政策発表後に円は対ドルでもみ合う展開となった。

原題:Dollar Declines for Fifth Day as Trading Patterns Show Weakness(抜粋)

◎米国株:反発、中国の輸出入回復で-緩和縮小めぐり失業保険に注目

米株式相場は4日ぶりに上昇。中国の輸出入が共に市場予想を上回 る伸びになったことを好感した。米金融緩和縮小の時期を探る上で失業 保険統計が注目された。

原材料価格の上昇を背景に、鉄鉱石生産会社クリフス・ナチュラ ル・リソーシズと産金会社ニューモント・マイニングはいずれも上昇し た。電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズは急伸。第2四 半期決算で利益がアナリスト予想を上回った。一方、AT&Tなど通信 サービス株が安い。JPモルガン・チェースも下落。同行は住宅ローン 担保証券(MBS)販売での慣行をめぐって連邦当局の刑事捜査を受け ていることを明らかにした。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の1697.48で終了。ダウ工業 株30種平均は27.65ドル(0.2%)高の15498.32ドルで終えた。

JPモルガン・ファンズのグローバル・マーケット・ストラテジス トのアナスタシア・アモローゾ氏は「経済指標が改善されており、最終 的には株式相場にとって明るい材料だ」と指摘。「それが金融政策にど のように影響するかをめぐり短期的には値動きが荒くなる可能性があ る。一つ留意すべきは、米金融当局が資産購入の縮小に動いた場合、そ れは非常に良い理由があるということだ」と語った。

ダラス連銀のフィッシャー総裁は独紙ハンデルスブラットとのイン タビューで、「経済指標が大幅に悪化しなければ」、9月に債券購入の 縮小を始めるべきだと述べた。

失業保険統計

週間新規失業保険申請件数は、3日に終了した週までの4週間平均 値が33万5500件と、前回のリセッション(景気後退)入り直前の2007 年11月以来の水準に下げた。先週の新規失業保険申請件数(季節調整済 み)は33万3000件に増加。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想の中央値にほぼ一致した。前週は32万8000件だった。

週間のブルームバーグ米消費者信頼感指数はマイナス23.5に上昇 し、2008年1月以来の高水準に達した。

中国の輸出入は7月に回復し、いずれも市場予想を上回る伸びとな った。2四半期連続で減速した同国経済が安定化しつつあることを示す 新たな兆候となった。

INGインベストメント・マネジメントのシニアストラテジスト、 パトリック・ムーネン氏は中国の貿易データについて、「中国の経済活 動の安定を示す兆候かもしれない」と述べた。「米株式相場にとって金 融政策だけが材料ではないと思う。景気回復に伴い、業績動向が最も重 要な要素になるだろう」と続けた。

S&P500種は1700上回る場面も

S&P500種は年初から19%上昇、2日には1709.67と終値ベースの 最高値を更新した。1日に初めて1700を上回った。この日は1700を上回 る場面が2回あった。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、第2四半期の決算を発 表した445社のうち72%で利益が予想を上回った。売上高が予想を上回 ったのは56%。

S&P500種のセクター別では全10業種のうち9業種が上昇。素材 株の上げが目立った。

クリフス・ナチュラルは8.9%、ニューモントは8.7%それぞれ上げ た。銅相場は8週間ぶり高値を付け、金は2週間ぶりの大幅高となっ た。

テスラは14%上昇し、153.48ドルと上場来高値を更新した。

原題:U.S. Stocks Rise on Chinese Trade Data, Jobless Claims Report(抜粋)

◎米国債:上昇、入札好調で買い-30年債利回り一時1週間ぶり低水準

米国債相場は上昇。30年債利回りは1週間ぶり低水準を付けた。こ の日実施された30年債入札(発行額160億ドル)では、間接入札者の需 要が過去の平均を上回った。

10年債相場は続伸。30年債入札では最高落札利回りが2年ぶり高水 準付近となった。米国債相場は一時上げを縮める場面もあった。米ダラ ス連銀のフィッシャー総裁がドイツ紙ハンデルスブラットのインタビュ ーで、「経済データが顕著に悪化しなければ」当局は9月に債券購入の 縮小を始めるべきだとの認識を示したことに反応した。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏はフィッシャー総 裁の発言について、「『経済データ次第』だと言っており、投資家は9 月に縮小が始まらない可能性がまだあると内心思っている」とし、「入 札がかなり好調だったのはそのためだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、既発30年債利回りは前日比1ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の3.67%。同年債(表面利率2.875%、2043 年5月償還)価格は6/32上げて85 20/32。利回りは一時5bp下げる場 面があった。

10年債利回りは2bp下げて2.59%。一時7月31日以来の低水準を 付けた。

30年債入札

30年債入札の結果によると、最高落札利回りは3.652%。入札直前 の市場予想は3.631%だった。前回7月11日の入札では3.66%と、ほぼ 2年ぶり高水準だった。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.11倍と、11年8月以来の低 水準。過去10回の入札の平均は2.55倍。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める比率は40.2% だった。過去10回の平均は37.2%。プライマリーディーラーの落札全体 に占める比率は42.7%と、過去10回の平均48.5%を下回った。

プライマリーディーラー以外の直接入札者の落札全体に占める比率 は17.1%。過去10回の平均は14.3%。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「プライマリーディーラーの比率 は42.7%だった。この観点から見れば、順調な入札だったといえる」と 述べた。

米国債リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれ ば、30年債の年初来リターンはマイナス11.9%。米国債全体ではマイナ ス2.7%。昨年のリターンは30年債がプラス2.5%、米国債全体ではプラ ス2.2%だった。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の ビル・グロース氏は月間投資見通しで、債券運用担当者は金利がほぼゼ ロという「新しい世界」やトータルリターンが低下する可能性に適応す る必要があると指摘した。

同氏は、この新しい戦争に勝利するために取り得る戦略は年限の短 縮だけではないとし、利回り格差やボラティリティ、信用スプレッドな どを活用した戦略に目を向ける必要があると加えた。

原題:Treasuries Gain as Bond Sale Draws Above-Average Nondealer Bids(抜粋)

◎NY金:続伸、2週間ぶり大幅高-ドル下落で代替投資の

ニューヨーク金先物相場は続伸。2週間ぶりの大幅高となった。ド ルが4月以降で最長の連続安と、下落基調が強まったことを背景に代替 投資としての金買いが活発になった。

主要10通貨に対するブルームバーグ・ドル指数は5営業日続落し、 7週間ぶりの低水準となった。中国の輸出入は7月に増加し、同国経済 が上向いたことが示唆された。中国は金輸入でインドに次いで世界2 位。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「ドルの軟調が続いている ため、金が魅力的になっている」と指摘。「中国の景気回復に伴い現物 需要が増えるとの期待も買いにつながっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比1.9%高の1オンス=1309.90ドルで終了。中心限月として は7月22日以来の大幅上昇となった。

原題:Gold Jumps Most in Two Weeks on Demand for Dollar Alternative(抜粋)

◎NY原油:5日続落、経済統計で緩和縮小懸念が再燃

ニューヨーク原油相場は続落。昨年12月以来で最長の5営業日 連続安となった。新規失業保険申請件数が予想ほど悪くなかったこと で、米金融当局が資産購入規模を縮小するとの懸念が再燃した。

先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は33万3000件に増加 した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値 は33万5000件だった。シカゴ連銀のエバンス総裁は6日、9月縮小の可 能性を「明確には排除しない」と述べた。米エネルギー情報局 (EIA)が7日に発表した統計では、先週の原油生産は1989年以来の 水準に急増した。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケッ トアナリスト、フィル・フリン氏は「良好な経済データが出ると緩和縮 小が心配になる」と指摘。「米国での原油生産が増え続けていることが 市場を重々しくしている。需給ファンダメンタルズでみれば供給は十分 だという事実を軽視してはならない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比97セント(0.93%)安の1バレル=103.40ドルで終了。終値ベースで は7月30日以来の安値。

原題:Oil Caps Longest Losing Streak This Year on Stimulus Speculation(抜粋)

◎欧州株:上昇、中国の輸出増を好感-BHPビリトンに買い

8日の欧州株式相場は上昇。米金融当局が債券購入策を年内に縮小 するとの懸念は根強いものの、中国の輸出増加が買い材料となった。

資源銘柄が総じて高く、英豪系鉱山会社BHPビリトンは3%の値 上がり。ドイツの電話会社、ドイツテレコムは約2年ぶりの大幅上昇。 予想を上回る第2四半期売上高が好感された。ドイツのコメルツ銀行 は16%の大幅高。4-6月利益が予想を上回った。一方、イタリアのモ ンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行は2.4%安。第2四半期の赤字 幅が予想以上で嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.5%高の304.17で引けた。米金融 当局と欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中銀)が刺激策 継続を表明したことを背景に、同指数は6月24日以来では10%上げてい る。

PFAペンション(コペンハーゲン)のシニアストラテジスト、ウ ィトルド・バーク氏は電子メールで、「中国の貿易統計がこの日のマク ロ経済面での目玉だった」とし、「疑いの目を向けたくなるほどの強さ だが、中国のハードランディング懸念を一時的に和らげた」と記した。

中国税関総署の発表によると、7月の輸出は前年同月比5.1%増。 ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値である2%増を 上回った。輸入は同10.9%増えた。

8日の西欧市場では18カ国中17カ国で主要株価指数が上昇。英 FTSE100指数は0.3%、独DAX指数は0.7%それぞれ上げた。仏 CAC40指数は0.6%高となった。

原題:European Stocks Advance as Chinese Export Data Beat Forecasts(抜粋)

◎欧州債:イタリア債は3日続伸、輸出増を好感-英独債ほぼ変わらず

8日の欧州債市場ではイタリア10年債が3日続伸。中国とドイツの 輸出がそれぞれ伸びたことを手掛かりに、ユーロ圏の高利回り債の需要 が高まった。

イタリア10年債利回りは8週間ぶり低水準となった。スペイン国債 も買われた。ドイツ国債はほぼ変わらず。アナリスト調査によれば、来 週発表のユーロ圏4-6月の経済統計で7四半期ぶりのプラス成長が示 される見込み。中国がこの日公表した7月の統計によると、欧州連合 (EU)と米国向け輸出が5カ月ぶりに増えた。

ダンスケ銀行の債券トレーディング責任者、ソーレン・モルク氏 (コペンハーゲン在勤)は「中国の欧州向け輸出の統計は域内の景気回 復が想定以上に強いかもしれないことを示唆しており、重要な意味を持 つ」とし、ユーロ圏の高利回り債を支える要因だと説明した。

ロンドン時間午後4時33分現在、イタリア10年債利回りは前日比5 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.20%と、6月10日 以来の低水準。同国債(表面利率4.5%、2023年5月償還)価格は0.4上 げ102.675。ドイツ10年債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は4 bp縮小し253bpとなった。

同年限のスペイン国債利回りは5bp下げて4.52%。

独連邦統計庁が発表した6月のドイツ輸出は前月比0.6%増加し た。中国税関総署の発表によると、7月の輸出は前年同月比5.1%増。 6月は3.1%減だった。

ドイツ10年債利回りは1.68%。2日には1.73%まで上げ、7月5日 以来の高水準となった。フランス10年債利回りはほぼ変わらず の2.24%。

英国債相場も前日からほぼ変わらずで、10年債利回りは2.48%。前 日は2.56%と、6月25日以来の最高に達した。同国債(表面利 率1.75%、2022年9月償還)価格は94.10となった。

原題:Italian Bonds Rise as Export Data Spurs Demand for Higher Yields(抜粋) Pound Climbs to Seven-Week High After Carney Inflation Comments (抜粋)

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