円が対ドル1カ月半ぶり高値、株安でリスク回避-96円前半

東京外国為替市場では午後の終盤に 円買いが強まり、対ドルで約1カ月半ぶりの高値を付けた。日本株が午 後の取引で失速したのを受けて、リスク回避に伴う円買い圧力が再び強 まった。

午後3時56分現在のドル・円相場は1ドル=96円18銭前後。一時 は96円10銭と6月19日以来の水準まで円高・ドル安が進んだ。朝方発表 された経済統計で対外証券投資が拡大し、経常黒字額が市場予想を下回 ったことに加え、日本株が反発したのを受けて、午前には一時96円94銭 までドル買い・円売りが進む場面が見られていた。

バークレイズ証券の門田真一郎外債ストラテジストは、「足元でド ル・円相場は、日経平均株価との連動性が高まっている。株価が下落し たので、ドル・円も落ち始めた。日銀の決定は予想通りの結果でノーサ プライズ」と述べた。

東京株式市場では、TOPIXが前日比0.5%安の1148.97で始まっ た後、プラス圏に浮上し、一時は1.0%高まで買われた。しかし、午後 に入って再び下落に転じ、1.4%安の1139.59で引けた。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「円相場は株価に振 れる展開が続いている。日経平均株価が200円超下落で引けて円買い圧 力が強まりやすい」と指摘。「米国株に量的緩和縮小への不透明感から 利益確定売りが出ていることが背景。9月の米連邦公開市場委員会を前 にポジションを軽くしておこうという動きで、S&Pが続落している。 高値警戒感も強く不安要因となっている」とも語った。

財務省が発表した国際収支(速報)によると、経常収支は3363億円 の黒字。ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は4000億円の黒 字だった。一方、対外・対内証券投資統計によると、7月28日-8月3 日の週の対外中長期債投資は6899億円の買い越し。7月の月次ベースで は3兆4818億円の買い越しとなった。

日銀会合

日銀はこの日の金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を全員一 致で決定した。ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト26人を対象に 行った事前調査では、全員が現状維持を予想していた。

日銀による追加金融緩和は当面見送られるとの見方などを背景に、 前日の海外市場では円買い圧力が強まった。

上田ハーロー外貨保証金事業部の吉松武志氏は、前日の海外市場に ついて、「経済指標結果が良好な欧州、ポンドを買い戻す動きからのド ル売りに加えて、7、8日にかけて開催されている日銀金融政策会合で 年内追加緩和策導入が見送られるとの思惑から円買いが断続的に続い た」と説明した。

ユーロ・円相場は1ユーロ=129円23銭まで円売りが進んだ後、円 の買い戻しが入り、一時128円22銭と7月10日以来の円高値を付けた。 午後3時56分現在は128円34銭前後。ユーロ・ドル相場は1ユーロ =1.3345ドル前後と前日終値(1.3336ドル)近辺で推移している。

豪ドル

一方、豪ドル・円相場は1豪ドル=87円台前半で推移。7月の豪雇 用統計が予想に反して減少したのを受けて、豪ドルは一時86円台後半に 下落した後、最大の貿易対手国である中国の7月の輸入が市場予想を上 回る伸びとなったことから上昇に転じた。豪ドルは主要16通貨全てに対 して前日終値比で上昇している。前日には一時86円41銭と2012年12月11 日以来の水準まで下落した。

中国税関総署は8日、7月の輸出は前年同月比5.1%増、輸入は 同10.9%増となり、貿易黒字は178億ドル(約1兆7200億円)と発表し た。ブルームバーグ調査の市場予想中央値では輸出は2%増、輸入は 1%増が見込まれていた。

オーストラリア統計局が8日発表した7月の雇用者数は前月比1 万200人減少となった。ブルームバーグ・ニュースが集計したエコノミ スト24人の予想中央値では5000人増が見込まれていた。

--取材協力:大塚美佳、Mariko Ishikawa、Candice Zachariahs. Editors: 青木 勝, 山中英典

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