超長期債が上昇、30年債入札で投資家需要との見方-先物は株安で戻す

債券市場では超長期債相場が上昇。 あすの30年債入札では需給の良さを背景に一定の需要があるとの見方が 出ており、買いが優勢になった。20年、30年債利回りはともに6月半ば 以来の低水準を付けた。先物は午後に株価が大幅安に転じたことで横ば い圏まで戻した。

現物債市場で新発20年物の145回債利回りは1.72%で始まり、午前 に1.73%まで上昇したが、午後に入ると低下。一時は前日比3.5ベーシ スポイント(bp)低い1.68%と6月19日以来の低水準を付けた。新発30年 物の39回債利回りも横ばいの1.825%で開始後、1.835%に上昇する場面 もあったが、午後3時前後には3bp低い1.795%と6月18日以来の1.8% 割れを記録した。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、超長期債利回りの低下について「イールドカーブが立ってきてお り、割安感が出ている。株価の下落も影響した」と述べた。当面は「米 金融政策見通しと市場の織り込み具合、米国債利回りが最大の注目点 だ」と指摘。量的緩和政策の縮小は9月開始と見込むが、米金利上昇は 行き過ぎとの見方から9月に向けて低下が進めば、ドル安・円高もあ り、日本国債はさらに買われる可能性もあると語った。

長期金利の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは1.5bp高 い0.765%で始まり、午前10時すぎに0.77%に上昇。しかし、午後に入 ると水準を切り下げ、2時半すぎには0.5bp高い0.755%まで上昇幅を縮 めた。前日には0.75%と5月13日以来の低水準を付けた。5年物の113 回債利回りは0.29%で開始後、一時は0.295%に上昇。午後2時すぎか らは1bp高い0.285%まで上昇幅を縮めた。

先物は1銭安

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比横ばいの144円02銭で開 始し、直後に3銭高の144円05銭と日中取引で5月10日以来の高値を付 けた。その後は株価の上昇を背景に下げに転じ、30銭安の143円72銭ま で下落。しかし、午後に株価が急落し、為替が円高基調となると一時1 銭高まで上昇。結局は1銭安の144円01銭で引けた。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、午前の債券相場 は株安・円高の巻き戻し、前日に予想以上に上昇した反動もあって売り が優勢だったと指摘。一方、30年債入札については、利回り水準はやや 足りないとしながらも「10年債などとの対比で割安。潜在需要が支えと なり、波乱はないのではないか」との見方を示した。

東京株式相場は続落。TOPIXは午前に前日比1%近く上昇する 場面もあったが、午後に急失速。結局は1.4%安の1139.59で引けた。東 京外国為替市場では円が対ドルで上昇。1ドル=96円10銭と6月19日以 来のドル安・円高水準を付けた。

日銀は8日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を全員一致 で決めた。マネタリーベース(資金供給量)を年60兆-70兆円に相当す るペースで増やす方針を維持。ブルームバーグ・ニュースがエコノミス ト26人を対象に行った調査では全員が現状維持を予想していた。

財務省は9日に30年利付国債(8月債)の価格競争入札を実施す る。発行額は5000億円程度。前回の39回債と統合するリオープン発行と なり、表面利率(クーポン)は1.9%となる。

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors: 青木 勝, 山中英典

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