日本株全面安、米緩和縮小観測でリスクオフ-6月来の下落率

東京株式相場は大幅反落。輸出や不 動産、金融、情報・通信など東証1部33業種は全て下げ、値下がり銘柄 数が1600を超すほぼ全面安となった。米国の量的緩和政策の縮小観測か ら、市場参加者がリスクオフの売り姿勢を強め、ドル・円相場が約1カ 月半ぶりの円高水準を付けたことも嫌気された。

TOPIXの終値は前日比38.40ポイント(3.2%)安の1155.26、 日経平均株価は576円12銭(4%)安の1万3824円94銭で、両指数とも きょうの安値引け。日経平均の下落率は、6月13日(6.4%)以来の大 きさとなった。

東京海上アセットマネジメント投信エンゲージメント運用部の久保 健一シニアファンドマネジャーは、高水準で推移していた円のネットシ ョートポジションを「アンワインドする動きが出ている」と指摘。2年 国債の日米金利差に基づくドル・円の適正水準と比較すると、「円安に 振れ過ぎており、一段の円高・日本株安の余地はある」とした。

シカゴ連銀のエバンス総裁は6日、「労働市場で好ましい改善が見 られ、それについて疑いの余地はない」と発言。9月に連邦公開市場委 員会(FOMC)が債券購入プログラム縮小を開始する決定を明確には 「排除しない」と語った。また、アトランタ連銀のロックハート総裁も インタビューで、量的緩和第3弾(QE3)の縮小は早ければ9月に始 まる、との見方を示した。

米金融政策の不透明感などを背景に、為替市場では週初からの円高 基調が続き、きょうの日本株は朝方から幅広い業種、銘柄に売りが先 行。アジア株も総じて安くなる中、午後に入ると先物主導で下げが加速 し、日経平均は終値で5営業日ぶりに節目の1万4000円を割り込んだ。 東京時間7日のドル・円相場は、一時1ドル=96円98銭と6月25日以来 の円高水準を付けた。

ハト派の意外発言、SQにらみも

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、 「ハト派と目されてきたエバンス総裁が9月の緩和縮小を排除しないと 発言した影響は大きい」と言う。9月の米量的緩和縮小の観測が強まっ ており、「リスクオフの円買い・株売りが出ている」と見ていた。

また、9日に株価指数オプション8月限のSQ算出を控え、あすが 同限月の最終売買日となる。ブルームバーグ・データによると、日経平 均のコール、プットともに行使価格1万4000円の建玉が積み上がってお り、SMBC日興証券の西広市氏は「1万4000円を意識した先物の仕掛 け的な売買が出やすい」と指摘。SQをにらむ先物への売り圧力が現物 への裁定解消につながり、下げが加速する一因になった。

個別では、いすゞ自動車が大幅安。クレディ・スイス証券は4-6 月期決算について、新興国需要に対する懸念を払拭(ふっしょく)する 内容ではなく、短期的に株価にややネガティブとの見方を示した。今3 月期は営業赤字見通しとなり、配当計画も無配に修正した大平洋金属、 1-6月期の連結営業利益は会社計画を下回り、前年同期比25%減だっ た堀場製作所は東証1部の下落率1、2位を占めた。

東証1部33業種の下落率上位は不動産、倉庫・運輸、精密機器、ゴ ム製品、繊維製品、情報・通信、保険、非鉄金属、証券・商品先物取 引、陸運など。東証1部の売買高は概算で24億2251万株、売買代金は2 兆1300億円、値上がり銘柄数はわずかに98、値下がりは1612だった。

国内新興市場では、東証ジャスダック指数が2%安の88.13と3日 続落、マザーズ指数が2.9%安の730.19と続落した。

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