米国株:続落、貿易赤字縮小で緩和縮小懸念-小売株が安い

米株式相場は続落。S&P500種株 価指数は6月24日以来の大幅安となった。貿易赤字が縮小し、金融当局 が年内に債券購入を縮小するとの懸念が強まった。小売り企業の決算や 見通しも失望を誘った。

アメリカン・イーグル・アウトフィッターズとCVSケアマークが 大幅安。金価格の下落を背景にニューモント・マイニングが下げた。 IBMも安い。同社は米国のハードウエア部門で従業員の過半数に1週 間の休業を義務付けたことを明らかにした。一方、ワシントン・ポスト は大幅高。アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者 (CEO)はワシントン・ポストの新聞資産を買収することで合意し た。

S&P500種株価指数は前日比0.6%安の1697.37で終了。ダウ工業 株30種平均は93.39ドル(0.6%)安の15518.74ドルで終えた。

INGインベストメント・マネジメントの分散投資担当責任者、ポ ール・ゼムスキー氏(ニューヨーク在勤)は「非常に強い貿易収支統計 を受け緩和縮小懸念が強まったことが、明らかに影響している。国内総 生産(GDP)の改善がどうして株式相場にとって悪材料になるのか理 解に苦しむが、そのような見方をする参加者はいる。長期的には売上高 の伸びが必要で、GDP改善はそれをもたらすだろう」と述べた。

6月の米貿易赤字は前月比で予想以上に縮小し、2009年10月以来の 低水準となった。輸出が拡大する一方で、石油や消費財の輸入が減少。 第2四半期のGDPが上方修正される可能性を示唆した。

GDP予想の上方修正

ゴールドマン・サックス・グループとバークレイズのエコノミスト は貿易収支を理由に、第2四半期のGDP伸び率予想を上方修正した。 商務省が先週発表した第2四半期のGDP速報値は前期比1.7%増加し た。第1四半期は1.1%増。

シカゴ連銀のエバンス総裁は債券購入の縮小開始を9月に決定する ことは「明確には排除しない」と述べた。「労働市場にはまずまずの改 善が見られ、それについて疑いの余地はない」と発言。「これが持続可 能な改善であるとのさらなる確証を私はまだ望んでいる」と続けた。

予想を上回る決算もここ数週間、株価を支えている。この日はウォ ルト・ディズニーなどS&P500種構成銘柄の31社が決算を発表する。 ブルームバーグがまとめたデータによれば、第2四半期の決算を発表し た419社のうち73%で利益が予想を上回った。

クリスティアナ・バンク・アンド・トラストの運用担当者、トーマ ス・ニューハイム氏は電話インタビューで、「市場は恐らく一服し、決 算を消化しようとしている。決算は良好だが、絶好調というわけではな い。企業はコスト削減で決算の数字を達成しているにすぎず、雇用はま だ然るべきレベルに達していない」と指摘した。

全セクターが下落

S&P500種のセクター別では全10業種が下落。素材や金融、工業 株の下げが目立った。

アメリカン・イーグルは12%安。第2四半期の利益が予想に達しな かった。婦人物衣料の売り上げが失望を誘う内容で、客足も鈍かった。

CVSは2.8%下落。同社は通期調整後利益の予想レンジの上限を 引き下げた。

IBMは2.3%安と、ダウ平均の構成銘柄では下げが最もきつい。

原題:U.S. Stocks Fall as Retailers Slump Amid Fed Stimulus Concern(抜粋)

--取材協力:Namitha Jagadeesh、Lu Wang. Editors: Jeff Sutherland, 山広 恒夫

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