米国債:利回り曲線スティープ化、経済統計が緩和縮小を示唆

米国債市場では5年債と10年債の利 回り差が拡大し、過去2年弱で最大となった。米金融当局が資産購入の 縮小を検討する中、貿易赤字の縮小が新たな景気回復の兆候ととらえら れた。

3年債の入札結果を受けて、10年債相場は下げ渋る展開となった。 規模320億ドルの同入札では最高落札利回りが0.631%と、ブルームバー グ・ニュースがまとめたプライマリーディーラー(政府証券公認ディー ラー)8社の予想値0.636%を下回った。シカゴ連銀のエバンス総裁は 現行の債券購入プログラムを通じて当局は今年1月からプログラム終了 までに少なくとも1兆2000億ドル(約117兆円)の資産を購入するとの 見通しを示した。同総裁は来年半ばにこのプログラムが完了すると見込 んでいる。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「イールドカーブがスティー プ化している」と指摘。「市場は経済データを精査し、米金融当局の行 動を見極めようとしている。9月縮小の可能性があるのか、あるいは先 送りされるのか判断したい」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇し2.64%。同年債(表面利回り1.75%、償還2023 年5月)価格は2/32下げて92 11/32。

既発3年債の利回りは0.6%で、前日とほぼ変わらず。

エバンス総裁

5年債と10年債の利回り差は1.26ポイントに達し、2011年9月以来 の最大となった。過去の例に基づくと、利回り曲線のスティープ化は経 済成長の加速が予測されていることを示唆する。

エバンス総裁は6日、シカゴ連銀で開いた記者団との会合で「労働 市場にはまずまずの改善が見られ、それについて疑いの余地はない」と 発言。「これが持続可能な改善であるとのさらなる確証を私はまだ望ん でいる」とした上で、債券購入の縮小開始を9月に決定する可能性があ ることを「明確には排除しない」と述べた。

先週2日に発表された7月雇用統計では、非農業部門雇用者数が16 万2000人増加。失業率は2008年12月以来で最低の7.4%に低下した。

米金融当局は月間450億ドルの米国債と400億ドルの住宅ローン担保 証券(MBS)を購入している。

BTIGのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ダン・グリーン ハウス氏(ニューヨーク在勤)は年内の緩和縮小の観測について、「方 針に変わりはないと思うが、8月の雇用統計が極めて重要になる」と指 摘した。

四半期入札

米国債利回りは朝方の取引で、米貿易赤字の縮小に反応して上昇し た。米商務省が発表した6月の貿易収支統計によると、財とサービスを 合わせた貿易赤字(国際収支ベース、季節調整済み)は前月比22.4%縮 小し、342億ドルとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト予想の中央値は435億ドルだった。

この日の3年債入札の結果によると、海外の中央銀行を含む間接入 札者の落札全体に占める比率は41.4%と、2011年8月以来の高水準。過 去10回の平均は26.1%。

プライマリーディーラー以外の直接入札者の落札全体に占める比率 は14%。過去10回の平均は19.9%。

米財務省は7日に10年債240億ドル、8日に30年債160億ドルの入札 を予定。今週は合計で720億ドルの入札が行われる。

ブルームバーグがまとめた米財務省のデータによると、年初からこ れまでの国債入札(計1兆2890億ドル)の応札倍率は2.92倍となってい る。昨年は3.15倍(入札規模は2兆1530億ドル)と過去最高を記録し た。

原題:Treasury Yield Curve Widens as Economic Reports Back Fed Taper(抜粋)

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