ソニー:ローブ氏の提案拒否、エンタメ事業は不可欠

米ヘッジファンド、サード・ポイン ト率いるダニエル・ローブ氏からエンターテインメント事業の分離上 場、一部売却提案を受けていたソニーは、取締役会の全会一致で提案を 拒否した。同社が6日発表した。

サード・ポイントへの返信書簡の中で述べた。ソニーは、エンタメ 事業を100%所有し続けることが今後の成功に重要と表明。一方、7- 9月期(第2四半期決算)から同事業の情報開示を充実させる方針も示 した。

平井一夫社長は、エンタメ事業はソニーの将来に不可欠で、成長の 重要な原動力だと強調、「OneSony(ワンソニー)」戦略を引き 続き実行していくとローブ氏宛ての書簡で伝えた。エンタメ事業の成長 拡大を図るとともに、エレクトロニクス事業との積極的協業を進めると の考えを示した。

SMBC日興証券の白石幸毅アナリストは、ソニーの経営方針を考 えれば「エンタメ事業の切り離しは方向性、思想が違う」として、「回 答は予想通り」とした。その上で「後はローブ氏が株式をどう売り抜け るかだ」とコメントした。

物言う株主の部分勝利

5月14日、米国の物言う株主で知られるローブ氏がソニーに送り付 けた1通の書簡によりエンタメ事業をめぐる問題が浮上した。情報開示 の乏しさと同業と比べ低い収益性、これらの改善にローブ氏はエンタメ 事業を上場させることで経営の規律を強化するとともに、15ー20%の株 式を市場に流通させることで得た資金をエレキ事業再建に充てるよう提 案した。

分離上場の提案自体はソニー取締役会に否定されたものの、ローブ 氏は物言う株主として、情報開示の面では勝利を手にした。平井社長は 返信の中で、エンタメ事業の開示を強化し、映画事業の収益性改善に取 り組むと約束した。

ソニーは7-9月期の四半期決算から企業価値算定に重要視される EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)を算出でき るよう開示を増やし、今後定期的に投資家とエンタメ事業の経営者の会 議を主催すると明示した。直近の4-6月期決算では映画、音楽事業に ついて売上高と営業利益のみが開示されていた。

サード・ポイントによると、同社は6月半ばにソニー株を買い増 し、保有比率は発行済み株式の約6.9%となった。

マッコーリー証券アナリストのダミアン・トン氏は「ソニーは平井 社長からの返信で、とても透明性の高い方法で回答した」と評価し、開 示を強化すべきだという要望に応じたことから「物言う株主のやり方は 日本でも通じることが証明された」と語った。

ローブ氏は7月29日の投資家宛ての書簡で、ソニーがエンタメ事業 を不当に軽視していると批判していた。平井社長の返答にローブ氏は満 足するのか、今後の動きが注目される。

ソニーの株価は一時前日終値比5.9%安の2011円まで売られた。午 後1時1分現在は2025円で取引されている。

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