アマゾンCEO、ワシントンP紙再生狙い2.5億ドルの賭け

インターネット通販最大手、米アマ ゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は、米 紙ワシントン・ポストを2億5000万ドル(約246億円)で買収すること に合意した。電子商取引業界での成功を経営難の新聞業界に応用できる という賭けに出た格好だ。

5日の発表資料によると、今回の買収はベゾス氏個人によるもの で、アマゾンは関係しない。ワシントン・ポスト社の現オーナーは今回 の新聞発行事業売却に当たり、教育部門など他の事業は売らない計画 で、社名変更を予定している。

ポスト紙は米大統領を辞任に追い込んだ1970年代のウォーターゲー ト事件のスクープなどで名をはせた。先週には米大リーグ球団ボスト ン・レッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリー氏がボストン・グロ ーブ紙の買収で合意。著名投資家ウォーレン・バフェット氏もこの数年 間、地方紙の買収を進めており、資産家による新聞事業再生の試みが続 いている。

ベゾス氏は発表資料で「ワシントン・ポスト紙が首都ワシントンお よび米国で果たしている役割の重要性を私は理解しており、同紙の価値 が変わることはないだろう」と指摘。「読者に対するわれわれの義務が 引き続き同紙の根本であり、将来については私は極めて楽観している」 と語った。

業績悪化

今回の買収で、1933年にポスト紙を買収したグラハム一族による経 営が終了する。新聞業界全般に広がる広告料の落ち込みなどから売上高 は7年にわたり減少したため、グラハム家は結局、同紙の売却を余儀な くされた。売却プロセスは投資銀行のアレン社が取りまとめた。

調査会社アウトセルのアナリスト、ケン・ドクター氏は「グラハム 家がさじを投げたようだ」と指摘。「彼らは将来を見渡しても今後の対 応策を見いだせず、何をすべきか分かる人物が必要だと言ったようだ」 と語った。

ワシントン・ポスト社の株価は買収発表後の時間外取引で5.1%上 昇し597.50ドルを付けた。

年次報告書によると、同社の新聞発行部門は過去2年間に営業赤字 が拡大。2012年は5370万ドルの赤字だった。年間売上高は12年に7%減 少し5億8170万ドル。かつて同紙の大きな収入源だった印刷広告は同期 間に14%減少し2億2820万ドルに落ち込んでいた。

原題:Amazon CEO Bezos Wagers $250 Million on Reviving Washington Post(抜粋)

--取材協力:Noah Buhayar、Danielle Kucera. Editors: Nick Turner, Ben Livesey