人類が100%マインドコントロールされる時代接近か-研究

白くて大きなラットが病院のベッド のような場所にうつぶせで寝かされている。尾の真ん中あたりには黒い リボンが結ばれ、この尻尾が時々ピクリと動く。

特にどうということもない光景だろう-このラットが人間にマイン ドコントロールされているという状況を除けば。われわれ人間の心もこ のように制御されてしまうことが近く可能になる兆候は、あちこちにあ る。

ハーバード大学医学大学院の研究チームは4月にこのラットの動画 をユーチューブに投稿。人間とラットの間で脳から脳への伝達ができた ことを世界に見せつけた。この実験では基本的に、人間が何かの考えに 集中し、その信号を収束超音波(FUS)を用いてラットの脳に送り、 尻尾の動きをコントロールする部分を刺激する。実験は94%の確率で成 功し、人間の考えが約1.5秒でラットに伝わった。

2008年には日本の研究者らが他人の脳活動をモニターし、限られた 選択肢の中からどの物体あるいは言葉が意識されているのかを見つけ出 す方法を発見した。今年に入ってからは国立遺伝学研究所の研究者が魚 の脳に映し出される世界を可視化することに成功したが、これは生き物 が食べ物のことに考えを集中させる際、どの神経細胞が興奮するかを割 り出すことで可能になった。

半導体メーカーの米インテルとカーネギーメロン大学による研究か らは、人間の心を読む上で有望な結果が出ている。特定の事柄を思い浮 かべるよう求められた人間の脳の働きを機能的磁気共鳴画像診断装置 (fMRI)を使って観察するもので、その人が考えている事柄を90% の確率で当てるというものだ。これまでのところ、この実験で使える言 葉は1000語程度に限られており、被験者は一度にその中から数個の単語 を選んでいるにすぎない。だが、心の中で思うだけでスマートフォンや テレビをつけたり消したりを可能にする技術が考えられるほどの正答率 になっている。

つい最近、米科学雑誌サイエンティフィック・アメリカンに掲載さ れたマサチューセッツ工科大学(MIT)の神経科学者らの研究は、心 を読むどころか、それを操作する領域に踏み込んだ。ネズミの記憶を修 正し、それによって行動が変わる状況を観察したという。

米国家安全保障局(NSA)がこの新技術の利用方法を学ぶのに余 念がないことは想像に難くない。

原題:Please Ignore the Man in the White Coat Who Is Reading Your Mind(抜粋)

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