豊田織社長:産業車両強化でさらなるM&A、数百億円規模も

トヨタ自動車グループの機械・部品 メーカー、豊田自動織機の大西朗社長は、今後のM&A(企業の合併と 買収)について、主力の産業車両事業で行う可能性があり、買収金額は 最大で数百億円台後半に達することもあり得るとの考えを示した。

大西氏は5日、愛知県刈谷市の本社でのブルームバーグ・ニュース とのインタビューで、最近の業績回復で「ようやく攻めの土台ができて きた」と成長投資に踏み切る環境が整いつつあると指摘。M&Aでは自 社の既存事業とのシナジーを重視し、世界シェア首位のフォークリフト をはじめ生産から販売、サービスまで自前で展開している産業車両部門 強化のために行うことが「可能性としてはある」と述べた。

業務のグローバル化を進めている同社は今年、フォークリフト用ア タッチメントの製造販売世界最大手、米カスケードの全株を公開買い付 け(TOB)で取得し完全子会社化。豊田自動織機広報担当の古川真氏 によると、買収総額は約760万ドル。12年には繊維機械の分野で高い品 質管理や情報処理技術を持ち、既に一部株式を保有していたスイスのウ スター・テクノロジーズ社のほぼ全株式を総額約1億9550万スイスフラ ンで取得した。一方、大西氏によると、今後3年間でさらに3000億円超 の設備投資を検討しており、それにはM&Aの分も含まれるとしてい る。

大西氏は今後のM&Aの規模について、カスケードと同程度になる 可能性はあると述べたうえで、「4ケタはしんどい」と1000億円以上を 負担する案件は難しいとの認識を示した。

世界シェア首位

豊田自動織機の前期(2013年3月期)の産業車両部門の売上高 は5970億円で連結売上高の約37%を占め、自動車事業に次ぐ2番目に大 きなセグメントだった。同部門の主力商品であるフォークリフトでは、 世界シェア20%弱で首位となっている。

大西氏はフォークリフト事業について、地域ごとに差はあるものの グローバルでみれば「まだまだ成長余力はある」と指摘。成長のために ハードとしての製品の差別化だけでなく、「バリューチェーンの取り込 みとか、販売金融などでパフォーマンスを上げていくというやり方」も あるとした。現時点で具体的に進んでいる案件はないが、「どうしたら われわれのパフォーマンスを高めることができるかということを常にア ンテナを高くしてみているところだ」と話した。

6月の株主総会を経てトヨタ自動車の源流企業である豊田自動織機 の社長に就任した大西氏はM&Aへの考え方について、トヨタグループ の伝統である「自分で汗をかく自前主義」が今もベースにあると前置き した上で、「グローバルで事業を展開していく上で現地の事情に精通し ているプレーヤーと一緒に組もうというのは、自然な成り行きで自前主 義を補完するものとしてある」との考えを示した。

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