米国債:下落、サービス業景況拡大が予想上回り緩和縮小観測

米国債相場は下落。米サービス業の 景況が予想以上に拡大したことが景気回復の新たな兆候と受け止めら れ、年内に金融当局による債券購入の縮小が始まるとの見方が広がっ た。

週間ベースでみると、米国債は過去2週間を軟調に推移。7月の米 雇用統計では雇用者数の伸びが予想を下回ったものの、債券購入の縮小 を可能にするほど十分なペースで景気は拡大しているとの見方が背景に あった。失業率は2008年以来の水準に低下した。ダラス連銀のフィッシ ャー総裁はこの日、資産購入プログラムの縮小に近づいていると発言。 米財務省は今週、3年債と10年債、30年債の入札(合計720億ドル)を 予定している。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「プラスのデータが続いている」と語る。「9月縮 小観測が消えていないのは失業率が低下したからだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは前営業日比4ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の2.63%。同年債(表面利回り1.75%、償 還2023年5月)価格は10/32下げて92 14/32。

ブルームバーグ米国債指数によると、年初来の米国債リターン は2.6%のマイナス。2012年通年では2%のプラスだった。

「非常に強いデータ」

米供給管理協会(ISM)が発表した7月の非製造業景況指数は56 と、前月の52.2から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト 予想の中央値は53.1だった。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏(ニ ューヨーク在勤)は「非常に強いデータだ」と指摘。「ISM統計は景 気全般が好調だと示唆した。今週は入札がある。おそらくは今の水準か ら少し利回りが上昇する方向になるだろう」と述べた。

米財務省は6日に3年債(320億ドル)、7日に10年債(240億ド ル)、8日に30年債(160億ドル)の入札を予定している。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏は「とにかく供給がすべてだ」と語る。「投資家はこれを買いの好機 ととらえるだろうか。それとも金利が上昇に向かうと懸念するだろう か」と問いかけた。

ダラス連銀のフィッシャー総裁は、米金融当局が月間850億ドルの 債券購入を縮小させる時期は近づいていると指摘し、緩和策に依存しな いよう投資家に呼び掛けた。今年の米連邦公開市場委員会(FOMC) で議決権を持たない同総裁は、量的緩和に批判的な立場で知られる。

プット依存を警告

フィッシャー総裁はオレゴン州ポートランドで講演し、相場が下落 すれば信用が緩和されるという「米当局の『プット(売る権利)』と一 部で呼ばれる考え方に金融市場は慣れ過ぎた可能性がある」と指摘。 「当局が無制限に相場を支え続けると期待するようになった向きもあ る。これは金融資産の価格をゆがめ、深刻な資本の誤配分を招く恐れが ある」と続けた。

ブルームバーグのデータによると、5年債と10年債のスプレッド (利回り差)は1.24ポイント。米国より高い格付けを付与されているソ ブリン債よりも幅が広くなっており、米経済が他国よりも急速に成長す ると債券投資家が見ていることを示唆している。

原題:Treasuries Fall as Report Shows Services Expansion Tops Estimate(抜粋)

--取材協力:Lucy Meakin. Editors: Paul Cox, 千葉 茂

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