8月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、雇用が弱く緩和縮小観測が後退

ニューヨーク外国為替市場ではドルが主要16通貨の過半数に対して 下落。7月の米雇用者数の伸びが予想を下回ったため、金融当局が資産 購入のペースを近く減速させるとの思惑が後退した。

労働省が発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比16万2000人増と、4カ月ぶりの 低い伸びにとどまった。連邦公開市場委員会(FOMC)は今週の会合 後、月850億ドルの債券購入を維持する方針をあらためて表明した。

野村ホールディングスの外国為替戦略グローバル責任者、イェン ス・ノルドビグ氏(ニューヨーク在勤)は「雇用の伸びが失望を誘い、 ドルが軟化した。経済が予想通りに推移していると金融当局が確信する には、第3四半期に成長がもう少し加速する必要がある」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するブルームバー グ米ドル指数は0.6%低下して1028.74。週間では4週間ぶりに上昇 し、0.6%高。

ドルは対ユーロで0.5%下げて1ユーロ=1.3276ドル。対円で は0.6%安い1ドル=98円94銭。円は対ユーロでほぼ変わらずの1ユー ロ=131円34銭。

雇用統計

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値で は雇用者数は18万5000人増だった。週労働時間は前月から減少、平均時 給は昨年10月以降で初めて前月比でマイナスとなった。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏(ニ ューヨーク在勤)は「市場は恐らくもっと強い数字を見込んで持ち高を 組んでいたため、やや失望した。市場の見方はデータによって決まるだ ろう。データは引き続き比較的強く、9月の緩和縮小観測はおおむね続 くと思う」と語った。

失業率は前月の7.6%から7.4%に低下した。ブルームバーグがまと めた調査の予想中央値は7.5%だった。

労働省のデータによると、年初から6月までの雇用者数は月平均 で20万1000人増となっている。2011年と12年の平均は17万9000人増。

FOMCは失業率が6.5%を上回り、インフレ率が2.5%以下にとど まると予想される限り、政策金利をゼロ近辺にとどめる方針を示してい る。連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は6月、失業率が 7%前後に低下しない限り、資産購入を2014年も続ける可能性があるこ とを示唆した。

「ドルは売り越しに」

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は雇用統計について、「緩和縮小 の時期に関する見方を必ずしも変えるわけではないが、持ち高からみる と、切迫性は薄れている」と指摘。「市場はもはやドルを買い越してい ないと思う。恐らくわずかに売り越しになっており、それがユーロを押 し上げた」と述べた。

原題:Dollar Drops After U.S. Employment Gain Is Smallest in 4 Months(抜粋)

◎米国株:続伸、予想下回る雇用増で緩和継続の観測

米株式相場は続伸。7月の米雇用者数の伸びが市場予想を下回り、 金融当局による緩和策の継続が示唆されたことが背景。S&P500種 株価指数は下げを埋める展開となった。

アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は高 い。2008以来初となる配当金の支払いと最大10億ドルの自社株買いを発 表したことが好感された。リンクトインは通期売上高見通しの上方修正 を手掛かりに急伸。デルも上昇。創業者マイケル・デル氏は同社の株式 取得案に特別配当を盛り込むことで同社取締役会の特別委員会と合意し た。一方、シェブロンは下落。4-6月(第2四半期)としては4年ぶ りの大幅な減益決算を発表したことが響いた。

S&P500種株価指数は前日比0.2%高の1709.67と、取引終盤にプ ラスに転じ最高値を更新した。週間では1.1%上昇。ダウ工業株30種平 均は30.34ドル(0.2%)高の15658.36ドルで、こちらも最高値を更新。

ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ株式ストラ テジスト、ジョン・マンリー氏は電話取材で、「この数字は地球を揺る がすものではない」と指摘。「結果の良し悪しに関して議論の余地はあ る。数字はまあまあだった。当局の支援が当面は続くことを示唆してお り、それは悪いことではない」と述べた。

米労働省が発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比16万2000人増加した。これは4 カ月ぶりの低い伸び。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス トの予想中央値は18万5000人増だった。前月は18万8000人増と、速報値 の19万5000人増から下方修正された。家計調査に基づく失業率は7.4% に低下した。

「強さの確証」

この他、6月の米個人消費は予想と一致する伸びとなり、個人所得 も増加。6月の米製造業受注額は前月比で増加した。

セントルイス連銀のブラード総裁は、労働市場と経済が強さを増し ている確証を得た上で債券購入のペースを減速させるべきだと述べた。 同総裁は今週開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で債券 購入の継続を支持した。

S&P500種は前日に初めて1700台を突破した。米連邦公開市場委 員会(FOMC)は7月31日の声明で緩和策を維持する方針を示したの に続き、欧州中央銀行(ECB)は前日に政策金利を過去最低水準で据 え置いた。製造業活動の拡大を示すデータも追い風になった。

S&P500種の業種別10指数中、この日は7指数が上昇した。消費 関連や素材、テクノロジー株指数の上げが目立った。

AIGやデルが高い

AIGは2.7%高。米政府からの救済資金を昨年返済した同社は、 1株当たり10セントの四半期配当を実施すると発表。4-6月(第2四 半期)決算は前年同期比17%の増益だった。

リンクトインは11%急伸。4-6月(第2四半期)の売上高は59% 増の3億6370万ドルと、アナリスト予想平均の3億5430万ドルを上回っ た。

デルは5.6%高。マイケル・デル氏は同社の株式取得案に特別配当 を盛り込むことで同社取締役会の特別委員会と合意。同氏と米投資会社 シルバーレーク・マネジメントによるデル買収額は1株当たり13.75ド ルで、これに加え1株13セントの配当も支払う。

エネルギー株指数は0.6%安と、S&P500種の業種別指数で値下が り率トップ。シェブロンは1.2%下落した。4-6月(第2四半期)の 利益は市場予想を下回った。原油価格の下落や生産減少が響いた。

原題:U.S. Stocks Rise as Jobs Data Signal Fed Stimulus May Continue(抜粋)

◎米国債:上昇、予想下回る雇用増で緩和縮小観測が後退

2日の米国債は上昇。10年債利回りは2012年5月以来で最も下げ た。朝方発表された7月の米雇用統計で雇用者の増加幅が市場予想を下 回ったことから、米金融当局が来月に緩和策縮小を決定するとの見方が 後退した。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の モハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は、緩和策を縮小させ るほど十分に米国の景気は回復していないことを雇用統計は示唆してい ると指摘。米国債は下げを埋めた。米連邦公開市場委員会(FOMC) は今週発表した声明で、「労働市場やインフレの見通し変化に応じ、適 切な政策緩和を維持するため委員会には資産購入ペースを加速あるいは 減速させる用意がある」と表明した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャ ージー氏は、「金融当局は債券購入のペース減速を望んでいるが、その ためには経済的な根拠が必要だ」と述べ、「9月に行動することはあり えるが、当初予想されていたよりもスケールが小さくなるだろう」と続 けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比11ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.60%。2012年5月30日以来で最も大きな下げとな った。同年債(表面利回り1.75%、償還2023年5月)価格は29/32高 の92 23/32。30年債利回りは7bp下げて3.68%。

利回り見通し

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)のクリストファー・サリバン最高投資責任者 (CIO)は、「過去数日間は労働市場の楽観的な見通しを材料に利回 りが上昇していたが、それが反転している」と述べ、「経済統計で示さ れる傾向に変化がない限り、予見可能な将来において利回りは直近のレ ンジ2.50-2.75%で推移するだろう」と続けた。

FOMCは声明で「経済活動は今年上期に緩慢なペースで拡大した ことが示唆された」とし、「委員会は、インフレ率が長期にわたり目標 の2%を下回れば経済にリスクとなり得ると認識しているが、中期的に 目標水準に戻っていくとみている」と述べた。

米労働省が発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比16万2000人増加した。これは4 カ月ぶりの低い伸び。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス トの予想中央値は18万5000人増だった。失業率は7.4%に低下した。

労働省の統計によれば、年初から7月までの雇用者数は月間平均 で19万2000人増加。これは2005年以来で最も高い伸びとなっている。

2015年1月の利上げ予想

フェデラルファンド(FF)金利先物動向によると、当局が2015年 1月に利上げに踏み切る確率は43.7%。前日の49.8%から低下した。

米財務省は7月31日、変動利付債の初回入札を来年1月に実施する 計画を発表し、財政状況が改善するのに伴い固定利付債入札の規模を段 階的に縮小するとの見通しを示した。

米国債入札での需要は年初から落ち込んでいる。今年に入って実施 された国債入札の応札倍率は2.91倍、昨年は過去最高の3.15倍だった。

ブルームバーグ国債指数によると、7月の米国債リターンは3カ月 連続でマイナスとなった。

原題:Treasuries Rally as Jobs Report Cools Fed Tapering Speculation(抜粋)

◎NY金:小幅続落、週間では1カ月ぶり下落-緩和縮小観測

ニューヨーク金先物相場は小幅続落。週間ベースでは1カ月ぶり の下落となった。予想を上回る経済指標が相次いだことを背景に、緩 和縮小の観測が強まった。

前日発表された先週の週間失業保険申請件数は前週比で減少し約5 年ぶりの低い水準となったほか、7月のISM製造業景況指数は約2年 ぶりの高水準となった。一方、この日発表の雇用統計では米雇用者数の 伸びが市場予想を下回った。

RJオブライエン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、トム・パワー氏は電話インタビューで、「今週は景気回復 を示唆する経済指標が相次いだほか、ドルの堅調で金は圧迫された」と 指摘。「きょうの雇用統計は金にとってプラスだが、市場の方向性を変 えるほどではない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.1%安の1オンス=1310.50ドルで終了。一時は2.2%安 の1282.40ドルをつけた。雇用統計発表後は持ち直す場面もあった。週 間では0.9%下落。

原題:Gold Caps Weekly Loss as U.S. Growth Signs Seen Ending Stimulus(抜粋)

◎NY原油:反落、雇用統計に失望-需要拡大への期待しぼむ

ニューヨーク原油相場は反落。米雇用者数の伸びが予想を下回っ たことが影響した。週間ベースでは値上がりした。

米労働省が発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比16万2000人増加した。これは4 カ月ぶりの低い伸び。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス トの予想中央値は18万5000人増だった。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「雇用 者数への失望が市場を圧迫している」と指摘。「今週に入ってからの値 上がりは主に、米経済の改善見通しとそれに伴う需要拡大への期待に基 づいていた。原油市場はきょうの雇用統計にがっかりさせられた」と述 べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比95セント(0.88%)安の1バレル=106.94ドルで終了。週間ベースで は2.1%の値上がり。

原題:WTI Falls as U.S. Employers Add Fewer Workers Than Anticipated(抜粋)

◎欧州株:5日続伸、9週ぶり高値更新-好決算のアクサが高い

2日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は5日 続伸し、9週間ぶり高水準を更新した。企業業績が予想を上回ったこと が手掛かり。この日発表された米雇用統計には、米刺激策縮小の開始時 期を見極める上で注目が集まった。

フランスの保険会社アクサは約3年ぶり高値を付けた。上期営業利 益の増加が好感された。上場ヘッジファンド運用会社の英マン・グルー プは9.5%の大幅高。収入増が買い材料。インターナショナル・エアラ インズ・グループ(IAG)は2008年2月以来の高値に達した。第2四 半期の黒字改善が買いを誘った。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%高の304.15で終了。週間ベー スでは1.8%上げた。7月の米雇用者数は予想を下回る伸びとなった が、家計調査に基づく失業率は7.4%に低下した。

BGL・BNPパリバの株式ストラテジスト、ギヨーム・デュシェ ーヌ氏(ルクセンブルク在勤)は電話インタビューで、「米経済指標は やや落ち着くとみており、大きくマイナスないし大きなプラスとなる材 料は出てこないだろう」と指摘。「欧州株が下落すれば買い増す好機 だ。政治と経済状況の安定に加え、バリュエーション(株価評価)も魅 力的で、株式を支える要因となり得る」と付け加えた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、ストックス欧州600指 数の構成銘柄の株価収益率(PER、予想ベース)は13.8倍。これに対 し、米S&P500種株価指数では15.4倍となっている。

この日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が上昇。ス イスのSMI指数は1.8%上昇。前日の同国市場は祝日のため休場だっ た。

原題:European Stocks Rise for Fifth Day as Investors Weigh U.S. Data(抜粋)

◎欧州債:イタリア債上昇、米雇用統計で-ドイツ債は下げ消す

2日の欧州債市場ではイタリア国債が上昇。週間ベースでは3週 続伸となった。米雇用統計で雇用者数が予想を下回る伸びだったこと から、世界の主要中央銀行が緩和政策を継続するとの見方が広がった。

イタリア10年債利回りは6週間ぶり低水準となった。同国の最高裁 判所(破棄院)が1日、ベルルスコーニ元首相の脱税事件での有罪を確 定する一方、公職禁止の判決については下級審に審理を差し戻したこと が手掛かり。ドイツ国債は一時の下げを解消。米雇用統計発表後、域内 で最も安全とされる同国債の需要が高まった。イタリア10年債の同年限 のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は2日連続で縮小 した。

DZ銀行(フランクフルト)のアナリスト、クリスティアン・レン ク氏は「周辺国の国債にとって全体的に環境は良好だ」とし、「利回り 縮小はイタリア国債に最も表れている。ベルルスコーニ元首相の裁判で 判断が下り、投資家はやや安心したようだ」と語った。

ロンドン時間午後5時2分現在、イタリア10年債利回りは前日比11 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.25%。これは6 月19日以来の低水準。週間ベースでは15bp下げた。同国債(表面利 率4.5%、2023年5月償還)価格はこの日、0.86上げ102.29。独10年債 に対するスプレッドは9bp縮小の260bpと、6月20日以来で最小と なった。

米労働省が発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比16万2000人増加した。これは4 カ月ぶりの低い伸び。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス トの予想中央値は18万5000人増だった。

ドイツ10年債利回りは1.65%で、前日からほぼ変わらず。一時7b p上昇した。

英国債相場は3日続落。10年債利回りは前日比2bp上昇 の2.42%。7月9日以来の高水準となる2.49%まで上昇する場面もあっ た。同国債(表面利率1.75%、2022年9月償還)の価格はこの日、0.16 下げて94.54。2年債利回りは0.38%、30年債利回りは3.62%まで上 げ、いずれも先月25日以来の高水準となった。

原題:Italian Bonds Rise After U.S. Jobs Data; German Bunds Erase Drop(抜粋) Pound Rises as Building Data Boosts Growth Optimism; Gilts Fall (抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE