米国債:上昇、予想下回る雇用増で緩和縮小観測が後退

2日の米国債は上昇。10年債利回り は2012年5月以来で最も下げた。朝方発表された7月の米雇用統計で雇 用者の増加幅が市場予想を下回ったことから、米金融当局が来月に緩和 策縮小を決定するとの見方が後退した。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の モハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は、緩和策を縮小させ るほど十分に米国の景気は回復していないことを雇用統計は示唆してい ると指摘。米国債は下げを埋めた。米連邦公開市場委員会(FOMC) は今週発表した声明で、「労働市場やインフレの見通し変化に応じ、適 切な政策緩和を維持するため委員会には資産購入ペースを加速あるいは 減速させる用意がある」と表明した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャ ージー氏は、「金融当局は債券購入のペース減速を望んでいるが、その ためには経済的な根拠が必要だ」と述べ、「9月に行動することはあり えるが、当初予想されていたよりもスケールが小さくなるだろう」と続 けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比11ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.60%。2012年5月30日以来で最も大きな下げとな った。同年債(表面利回り1.75%、償還2023年5月)価格は29/32高 の92 23/32。30年債利回りは7bp下げて3.68%。

利回り見通し

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)のクリストファー・サリバン最高投資責任者 (CIO)は、「過去数日間は労働市場の楽観的な見通しを材料に利回 りが上昇していたが、それが反転している」と述べ、「経済統計で示さ れる傾向に変化がない限り、予見可能な将来において利回りは直近のレ ンジ2.50-2.75%で推移するだろう」と続けた。

FOMCは声明で「経済活動は今年上期に緩慢なペースで拡大した ことが示唆された」とし、「委員会は、インフレ率が長期にわたり目標 の2%を下回れば経済にリスクとなり得ると認識しているが、中期的に 目標水準に戻っていくとみている」と述べた。

米労働省が発表した7月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比16万2000人増加した。これは4 カ月ぶりの低い伸び。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス トの予想中央値は18万5000人増だった。失業率は7.4%に低下した。

労働省の統計によれば、年初から7月までの雇用者数は月間平均 で19万2000人増加。これは2005年以来で最も高い伸びとなっている。

2015年1月の利上げ予想

フェデラルファンド(FF)金利先物動向によると、当局が2015年 1月に利上げに踏み切る確率は43.7%。前日の49.8%から低下した。

米財務省は7月31日、変動利付債の初回入札を来年1月に実施する 計画を発表し、財政状況が改善するのに伴い固定利付債入札の規模を段 階的に縮小するとの見通しを示した。

米国債入札での需要は年初から落ち込んでいる。今年に入って実施 された国債入札の応札倍率は2.91倍、昨年は過去最高の3.15倍だった。

ブルームバーグ国債指数によると、7月の米国債リターンは3カ月 連続でマイナスとなった。

原題:Treasuries Rally as Jobs Report Cools Fed Tapering Speculation(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker. Editors: Paul Cox, 西前 明子

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