【日本株週間展望】戻り試す、景気回復と円安-決算好感も

8月1週(5-9日)の日本株相場 は、戻りを試す展開となりそうだ。米国を中心に世界経済に対する見方 が改善しているほか、米長期金利の上昇を受けた円安・ドル高への期待 も大きい。こうした中、自動車など輸出関連、鉄鋼など素材関連といっ た景気敏感業種に買いが入り、株価指数を押し上げるとみられる。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「米国の長期金利上昇 が鮮明で、今までと雰囲気が変わってきている」と指摘。日米金利差拡 大の観測から「為替は円安方向で推移する可能性が高く、日経平均は1 万5000円の大台を試す」と予想した。

7月5週の日経平均株価は、前の週末に比べ2.4%高の1万4466円 と反発。前半は為替の円高などを受け売り優勢だったものの、米供給管 理協会(ISM)製造業景況指数など主要国・地域の経済統計が改善、 為替が再び円安方向に振れたことなどを好感し、後半は急速に切り返し た。週間の高安値幅も852円と大きかった。

8月1週も、リスク資産への資金流入が継続する可能性は高い。1 日に発表された中国の7月の製造業購買担当者指数(PMI)が市場予 想を上回り、ISM製造業景況指数は2011年6月以来の高水準を記録す るなど、世界各所で強い内容の経済統計が続いている。

また、景気の低迷が長期化していた欧州でも、底入れの兆しが見え てきた。7月のユーロ圏製造業景気指指数は50.3と、11年7月以来で初 めて活動拡大と縮小の分かれ目となる50を上回った。投資家心理の改善 は株価にも顕著に表れており、ストックス・ヨーロッパ600指数は6月 下旬の安値から10%上昇している。

欧米統計で回復確認か

第1週は、5日に7月の米ISM非製造業総合景況指数やユーロ圏 総合景気指数、6日に6月の米貿易収支、8日に米新規失業保険申請件 数などの発表が予定されている。みずほ証券投資情報部の倉持靖彦副部 長は、「米国は引き続き堅調で、欧州も循環的な回復局面に入ってきて いる。いい方向に向かっており、日本株も緩やかに上昇する動きにな る」との見方だ。

また、為替相場の動きが日本株の動向を左右する展開も続きそう。 ドル・円相場は7月末にかけて一時1ドル=97円台半ばまで円高方向に 振れたが、米国の強い経済指標を受けて同国長期金利が上昇したことか ら、再び100円に接近する動きとなった。日本株も、それに連動する形 で乱高下した。

野村証券投資情報部の山口正章エクイティ・マーケット・ストラテ ジストは、ドル・円は短期的には米国の金利動向で決まるが、「足元の 経済指標を見る限り、米金利は上昇基調で推移する可能性が高い」と予 想。為替は円安方向への動きを強めるとみられ、日本株も「堅調に推移 するだろう」としている

国内決算「全体として悪くない」

また、国内企業の決算発表も相場全体に影響を及ぼす見込み。主要 企業では、5日に住友化学やNTT、6日にダイキン工業や東レ、サン トリー食品インターナショナル、7日に丸紅や三井不動産、クボタ、8 日に日揮やニコン、オリンパス、9日に第一生命保険、東京海上ホール ディングスなどが発表予定だ。

ブルームバーグ・データによると、7月1日以降に4-6月期決算 を発表した企業のうち、これまで約6割の企業の1株利益は市場予想を 上回っている。セクターでは特に金融が好調で、三菱UFJフィナンシ ャル・グループや三井住友フィナンシャルグループなど8割以上の企業 の同利益が市場予想を上回った。

セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「市場 の期待が高過ぎるだけに一部失望を誘った銘柄もあるが、全体としては 悪くない」と評価。中国や欧州など海外景気の弱さが重しとなっている 企業もあるが、「輸出関連を中心に、円安による収益改善効果ははっき り出ている」と言う。

ただ、お盆休み入りを前に売買が低調となる可能性があるほか、マ クロ面では目立った取引材料にも乏しく、上値は重くなる可能性があ る。東証1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオ(25日移動 平均)は1日時点で125%と、買われ過ぎを示す120%を再度上回り、短 期的な過熱感も意識されるところだ。

このほか日本株に影響を与えそうな材料は、国内で7-8日に日本 銀行の金融政策決定会合があり、8日には6月の国際収支と7月の景気 ウオッチャー調査が発表される。9日は株価指数オプション8月限の特 別清算値(SQ)算出がある。

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