ソニー:米ファンド提案で対応を議論-4~6月期純益35億円

米ファンドからエンターテインメン ト事業の分離上場提案を受けているソニーは、同提案について対応を検 討中だとした。同社は1日、4-6月期の純利益が35億円になったと発 表した。

米ヘッジファンド、サード・ポイント率いるダニエル・ローブ氏の 提案に対し、ソニーの加藤優代表執行役・最高財務責任者(CFO) は、1日の決算会見で、対応をまだ決めていないことを明らかにした。 ただ、ローブ氏の提案が重要なものだとの認識を示した上で、アドバイ ザーの意見も参考に取締役会で議論を深めていると語った。

ローブ氏は決算発表後の投資家向け電話説明会でエンタメ事業の収 益性と年内発売予定のゲーム機「プレイステーション4(PS4)」に ついて質問。加藤CFOはPS4は前評判がよく期待できると答えた。 ローブ氏は7月29日に投資家宛ての手紙で「われわれの提案を早く行動 に移すべきだ」とソニーからの回答を促し、「ソニー社長はエンタメ事 業が同業他社より収益性が低くても心配してないことには驚きだ」と平 井一夫社長を批判していた。

神戸司郎執行役員は決算会見で、「エンタメ事業に限らず、全ての 事業において収益力強化を図っている」と強調した。エンタメ事業に関 しては、テレビ番組の制作だけでなく、配信ビジネス含むテレビ関連事 業が成長しており、「今後さらに伸ばしていく」と述べた。また、CD やDVD製品のデジタル化も商機として重視していると明らかにした。

スマホ好調が利益寄与

4-6月期の純利益35億円は、ブルームバーグ・ニュースが取材し たアナリスト5人の予想中央値26億円を上回った。前年同期の純損益 は246億円の赤字で、今回黒字転換した。同期の営業利益は364億円で、 ブルームバーグ・ニュースが調べたアナリスト10人の予想中央値324億 円を上回った。今期(2014年3月期)の純損益予想は500億円の黒字に 据え置いた。同売上高目標は円安の影響などで4000億円上方修正し、7 兆9000億円とした。

国内のスマホ販売はNTTドコモの「ツートップ」販促戦略の恩恵 を受け、今期の営業黒字目標(2300億円)達成へ順調な滑り出しを見せ た。「CMOS」センサーを中心とするデバイス販売の好調も貢献。ま た、テレビやパソコン事業が数量を追わず利益率重視に戦略転換したこ とも寄与した。テレビ事業は52億円の営業黒字を計上、12四半期ぶりに 黒字に復帰した。

ソニーが今期の焦点とするエレキ事業について、ドイツ証券の中根 康夫アナリストは、テレビ事業の営業損益の黒字転換は「ポジティブサ プライズ」と評価した一方で、デジタルカメラ事業については市場の縮 小による販売の下振れリスクが残ると語った。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは4-6月期決算について 「赤字予想があった中で300億円台の営業利益はかなり良かった」とす る一方、「本業の売り上げが良かったというよりも円安が効いている」 とし、特に対ユーロでの円安効果が大きかったと語った。

決算発表を受けて2日のソニー株価は上昇、一時4%高の2189円ま で買われ、前日比0.9%高の2123円で取引を終えた。

--取材協力:Jason Clenfield. Editors: 中川寛之, 持田譲二, 浅井秀 樹

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