ドルが対円で1週間ぶり高値、米雇用統計に期待-99円後半

東京外国為替市場では、ドルが対円 で約1週間ぶり高値を付けた。予想を上回る雇用関連指標を受け、この 日発表される米雇用統計への期待が高まる中、米量的緩和の縮小観測を 背景にドル買い優勢の流れが続いた。

ドル・円相場は一時、1ドル=99円70銭を付け、前日の海外時間に 付けた7月25日以来のドル高値(99円57銭)を更新。その後も高値圏で 推移し、午後3時45分現在は99円59銭前後となっている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラ テジストは、「7月31日のFOMC(米連邦公開市場委員会)声明で景 気判断などは下方修正されたが、いずれにしても今後の景気、雇用情勢 次第というところはほとんど変わらず、そういう意味ではその後出てき た雇用関連などの経済指標も比較的強かったので、少し期待が強くなっ ている」と説明。「今晩の米雇用統計で、8月相場でドル・円がスター トダッシュできるのか少しつまづくのかが決まるのだろう」と話した。

ドルは対ユーロでも一時、海外時間に付けた7月25日以来の高値を 上回る1ユーロ=1.3190ドルまで上昇。欧州中央銀行(ECB)のドラ ギ総裁は1日、金融政策の据え置きを決めた定例政策委員会後の記者会 見で、当局が予見可能な将来において低金利を維持する方針であること を重ねて表明した。

米雇用統計

ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、7月の米雇 用統計で非農業部門雇用者数は前月比で18万5000人増加したと予想され ている。また、7月の失業率は7.5%と前月の7.6%から低下する見通し となっている。

1日発表された先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、 前週比1万9000件減少の32万6000件となり、5年強ぶりの低水準となっ た。米供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景況指数は55.4 と約2年ぶりの水準に上昇。受注や生産が伸びたほか、雇用指数が昨年 6月以来の高水準となった。

上田ハーロー外貨保証金事業部の黒川健氏は、米雇用統計につい て、非農業部門雇用者数の伸びが19万人以上となった場合には、「バー ナンキ議長が金融政策の鍵と見なす米労働市場の改善の兆しと受け止め られ、再びドル買いトレンドとなり、ドル・円は100円台を試す展開が 予想される」と指摘した。

一方、三井住友銀行市場営業部ニューヨークトレーディンググルー プのグループ長、柳谷政人氏(ニューヨーク在勤)は、「期待度が高ま っている状態なので、15万人増というような数字が出ると、この流れは リバースするのではないか」と、ドルの反落リスクを指摘した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は7月30、31日に開催した FOMC終了後の声明で、「インフレ率が長期にわたり目標の2%を下 回れば経済にリスクとなり得ると認識しているが、中期的に目標水準に 戻っていくとみている」と指摘した。

この日はFRBがインフレ指標として重視している個人消費支出 (PCE)価格指数も発表される。ブルームバーグ調査によると、食品 とエネルギーを除くコア指数は6月に前年同月比1.1%上昇と、3カ月 連続で過去最低水準にとどまったもよう。

三菱UFJモルガン・スタンレー証の植野氏は、「基本的に雇用統 計が強ければ、ドル・円は100円トライもあるだろうし、弱けれ ば97、98円のところにもう一度押し戻される雰囲気だと思うが、9月の FOMCまでにもう一回雇用統計が見れるので、よほど極端に振れない 限り、単月の結果だけで大きく最近のレンジをブレークするのは難し い」と指摘。「決戦の時は9月のFOMCという感じで、市場参加者も そうした心理状態になっている」と話した。

リスク選好

1日の海外市場では良好な経済指標が米金融緩和の縮小を後押しす るとの見方から米長期金利が上昇。外国為替市場ではドルが主要通貨に 対して上昇した。一方、円は主要通貨全てに対して下落。米国株の上昇 を背景にリスク選好の高まりが意識された。2日の東京株式相場も大幅 続伸となった。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=131円70銭と1週間ぶりの水準ま でユーロ高・円安が進行。同時刻現在は131円66銭前後で取引されてい る。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 青木 勝, 山中英典

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