シンガポールGIC、機敏な戦略目指す-投資見通しの複雑化で

1000億ドル(約10兆円)強を運用す る政府系ファンド、シンガポール政府投資公社(GIC)は、世界の見 通しの「複雑化」に対応し、より柔軟な投資戦略に変更する。戦略を変 えるのは30年で2回目。

年次報告書によると、GICはポートフォリオを積極運用型と市場 全体を追うタイプに分割する。GICは1981年に「危機準備金」として 設立されたファンドで、ポートフォリオの最大70%を債券とキャッシュ に振り向けていた。2000年の見直しでは「金融基金」と定義され、株式 組み入れ比率が65%だった。

GICのチーフエコノミスト、レスリー・テオ氏は1日、年次報告 書の公表を前にインタビューに応じ、「過去30年間、株式や債券に投資 すれば金利低下の波に乗って利益を上げることができた。今後はそれほ ど簡単にはいかない。市場のリターンは高くならないだろう。投資家は より機敏になる必要が出てくる。運用技術に基づいたアクティブ運用が リターンの上乗せにつながるだろう」と語った。

今回の見直しでGICは資金を資産クラス全般に移すことが可能に なる。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が景気回復を受けて景気 刺激策の縮小を検討する中、債券利回りの上昇に備えてポートフォリオ をより良く管理することができる。

2日発表の年次報告書によると、GICの20年の年率実質リターン は3月末時点でプラス4%と、前年の3.9%から改善した。

GICの3月末時点の組み入れ比率は株式が46%(1年前は45%) に、債券は21%(同17%)に増えた。キャッシュは7%(同11%)、不 動産やプライベートエクイティ(未公開株投資)、商品などで構成され る代替資産は26%(同27%)に減った。

地域別の比率は欧州が25%と、前年より1ポイント低下。米国 が36%(1年前は33%)となるなど米州は上昇した。アジアは28% (同29%)、日本は10%(同12%)にそれぞれ低下した。

原題:GIC Seeks Flexibility to Tackle More Complex Investment Outlook(抜粋)

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