円が全面安、株高加速受け売り圧力強まる-対ドルで98円半ば

東京外国為替市場では円が全面安の 展開。日経平均株価が今週に入って初めて1万4000円台を回復するなど 株高が加速したのを受けて、リスク選好の円売りの動きが強まった。

ブルームバーグ・データによると、午後3時35分現在の円は主要16 通貨全てに対して前日終値比で下落。円の対ドル相場は一時1ドル=98 円55銭と、東京株式相場が始まって間もない9時すぎに付けた97円66銭 から1円近く円安が進む場面があった。

この日の東京株式相場は、取引が進むにつれて上昇幅を拡大。 TOPIXと日経平均の両指数は高値引けとなり、為替市場で円売り圧 力が強まる背景となった。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、円の下落 について、「レンジ内の動きではあるが、株が上昇しているのは大きい と思うので、それで円売りになっている」と指摘した。

前日の米国市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政 策を据え置いた上、継続的な低インフレが景気拡大の妨げになる可能性 を指摘したことを受けて、それまで経済指標の改善などを好感して円安 に振れていた相場は円買いの動きに転じた。

一方、米金融当局から量的緩和縮小の開始時期に関する言及がなか ったことについては、市場関係者からハト派的との声が多く聞かれた が、市場では米国が年内にも緩和縮小に踏み切るとの見方が根強く残っ ている。

みずほコーポレート銀行の加藤倫義参事役は、今回のFOMCの声 明について「量的緩和の縮小を前のめりに考えていた人にとってはハト 派的な内容だった。もっとも市場では、8月は現状維持、9月の FOMCで緩和縮小を宣言し、実際に動くのは10月以降の10-12月期と いう見通しが大勢だった。こうした見通しは崩れていない」と言う。

米経済指標

米国の量的緩和縮小時期を見極める上で市場が注目する経済指標に 関して、バークレイズFXストラテジストの逆井雄紀氏(ニューヨーク 在勤)は、「データ次第ということなので、今月と来月発表の雇用統 計、あと当然インフレが下振れし続けるのかどうかというのも注目」と 指摘。「金曜日の雇用統計の数字が重要。ISM製造業の数字もサプラ イズがあれば多少動くかもしれないが、それはポジション調整の域を出 ないのかなという感じ」と話していた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値に よれば、米供給管理協会(ISM)が1日に発表する7月の製造業景況 指数は、自動車販売の製造業活動に対する貢献で、5カ月ぶりの高水準 が見込まれている。

また、米労働省が2日に発表する7月の非農業部門雇用者数は前月 比18万5000人増加、失業率は7.5%が見込まれている。6月はそれぞ れ19万5000人増、7.6%だった。

--取材協力:Mariko Ishikawa. Editors: 青木 勝, 山中英典

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE