債券先物は下落、国内株高で売りが優勢-10年債入札結果は順調

債券先物相場は小幅下落。国内株価 の上昇や外国為替市場での円安を背景に売りがやや優勢となった。きょ う実施の10年債入札は順調な結果となり、現物債は底堅く推移した。

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比5銭安の143円57銭で開 始後、午前は143円55銭前後で推移したが、株高・円安を背景に売りが 優勢となった。10年債入札結果が発表された午後零時45分前後には143 円41銭と日中取引で7月22日以来の安値まで下落。その後は徐々に水準 を切り上げ、取引終了間際には3銭高まで上昇し、結局は1銭安の143 円61銭で引けた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジス トは「先物相場が一時的に売り込まれたが、入札結果からは需給環境の 良好さが示された」と述べた。取引は薄商いが続いているが、ボラティ リティの安定で買いやすさが増していると指摘。「投資家の待機資金が 債券購入に向かい始めた公算がある。上期の残り2カ月はキャリー狙い の買いが見込める」と語った。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の329回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.80%で開始。午前11時すぎには 7月26日以来となる0.805%に上昇したが、午後3時前から横ばい の0.795%に戻した。5年物の113回債利回りも横ばいの0.29%。20年 物145回債利回りは横ばいの1.705%で始まり、直後に1.71%に上昇した が、3時ごろからは再び1.705%。30年物の39回債利回りは0.5bp高 い1.815%で推移した。

財務省がこの日実施した表面利率0.8%の10年利付国債(329回債、 8月発行)の入札結果によると、最低落札価格は99円98銭と市場予想を 2銭上回った。投資家需要の強さを示す応札倍率は3.51倍と前回の2.41 倍から上昇した。小さければ好調とされるテールは2銭と前回と同じだ った。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、10年債入札につ いて「しっかりとした結果だった。テールも2銭にとどまり、応札倍率 は上昇した」と分析。一方、午後に軟調推移となったことについては、 「株価が大幅上昇となり、債券先物が圧迫されて売りが優勢となった」 と説明した。

東京株式市場でTOPIXの終値は前日比31.69ポイント(2.8%) 高の1163.39。約1カ月ぶりの上昇率となった。円は対ドルで朝方の1 ドル=97円66銭から午後には98円79銭前後までドル高・円安が進んだ。

31日の米国債相場は上昇。米10年国債利回りは前日比3bp上昇 の2.58%。米連邦公開市場委員会(FOMC)が発表した声明は月850 億ドルの債券購入プログラムの縮小時期について示唆しなかった。経済 拡大のペースに関する表現を前回声明の「緩やか」から「緩慢な」に変 更。継続的な低インフレが景気拡大の妨げになる可能性も指摘した。

--取材協力:赤間信行 Editors: 山中英典, 青木 勝

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