【日本株週間展望】反発へ、過熱後退と業績再評価-米中警戒

7月5週(7月29日-8月2日)の 日本株相場は反発しそうだ。過熱感が薄れる中、国内企業全体の業績改 善傾向をあらためて評価する買いが入るとみられる。ただ、米国での金 融緩和縮小観測や中国経済の先行き懸念が再燃すれば、世界的なリスク 資産回避の動きが悪影響を及ぼす可能性は否定できない。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフ・ストラテジストは、 「日経平均株価は1万5000円を手前に足踏みを続けているが、日柄調整 もだいぶ進み、目先は持ち直しが見込める」と言う。マクロ経済の堅 調、企業の前提に比べた為替の円安進行で、「4-6月期決算は全体的 に進捗(しんちょく)度合いが良好となり、通期業績の上振れ期待が高 まっていくだろう」と予想した。

第4週の日経平均株価は、前の週末に比べ459円93銭(3.2%)安の 1万4129円98と6週ぶりに下げた。21日に投開票された参院選で自民、 公明の連立与党が圧勝、衆参の多数派が異なる「ねじれ」の解消で政権 基盤が強化されるとみられ、週前半は上昇した。しかし、騰落レシオな どテクニカル指標が相場の過熱を示していただけに、一部企業の決算不 振、円安一服などをきっかけに週末にかけて調整色を強めた。

参院選の結果について、SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ス トラテジストは、「短期的に安定政権が好感されることはあっても、日 本株を再びブーム的な状況に導く程の材料にはならない」と指摘。政権 がさまざまな異論を抑え、「株式市場にとってサプライズとなるほどの 改革姿勢を示すのはハードルが高い」と見ている。現時点では、「政策 面での期待感に伴うブームの再来よりも、内外景気や業績に応じた相場 展開を想定するのがメインシナリオ」というのが同氏の見解だ。

日電産、キヤノンが明暗

国内では、企業の4-6月期決算の発表が本格化してきており、第 4週は通期業績計画を増額した日本電産、4-6月決算が従来予想を上 回った日本電気硝子が急騰。半面、通期計画を下方修正したキヤノン、 4-6月の損益が赤字に転落したアドバンテストは売られ、収益による 株価の明暗がはっきりした。

第5週の主要企業の決算発表予定は、29日にコマツや日立建機、三 井住友フィナンシャルグループ、大和証券グループ本社、30日にJTや 日立製作所、ソフトバンク、日本取引所グループ、31日に三菱UFJフ ィナンシャル・グループ、東芝、新日鉄住金、8月1日にソニー、シャ ープ、2日にトヨタ自動車、三菱商事、国際石油開発帝石など。東京証 券取引所の集計によれば、30日に198社、31日に379社が業績開示を行う 見込みで、31日が発表ピーク日となる。

大半を占める3月期決算企業にとっては第1四半期に当たり、現段 階で通期(2014年3月期)業績見通しを修正する動きは多くないともよ うだが、通期計画に対する進捗率が高水準となれば、今後の上方修正期 待が広がりやすい。野村証券エクイティ・ストラテジー・チームの柚木 純ストラテジストは、「好決算を背景に、海外投資家の買い越し基調は 続く」とみている。

FOMC声明、米中統計注視

米国では、30-31日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ る。ブルームバーグの調査によれば、エコノミスト54人のうち、今回の FOMCで量的金融緩和第3弾(QE3)の縮小に踏み切ると予想した 回答者はいなかった。注目されるのは、FOMC終了後に公表される声 明文の内容で、声明がQE3の早期縮小を示唆する「タカ派」的な内容 になれば、市場の波乱要因となりそうだ。

このほか、経済統計の発表も国内外で相次ぐ。国内では、30日に6 月の家計調査や鉱工業生産、31日に住宅着工戸数など。米国では、30日 に5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数、7月のコンファレンス ボード消費者信頼感指数、31日に4-6月期国内総生産(GDP)、8 月1日に7月の供給管理協会(ISM)の製造業景況指数、2日に雇用 統計を控え、中国では1日に7月の製造業PMIがある。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では、日本の鉱工業生 産指数が中央値で前月比2.0%低下(前回1.9%上昇)、米ISM製造業 指数は51.9(同50.9)、米雇用統計の非農業部門雇用者数は18.3万人増 (同19.5万人増)となる見込み。中国の製造業PMIは49.8(同50.1) と、製造業活動の縮小を示す50を下回るとみられており、機械や海運な ど中国関連業種の悪材料になる可能性には留意が必要だ。

大和住銀の門司氏は、米ISM指数について「フィラデルフィア連 銀やニューヨーク連銀の製造業景況指数の上昇、ユーロ圏製造業景気指 数も回復したことを考慮すれば、良い結果になる公算が大きい」と読 む。中国については、「李克強首相が何らかの景気対策を考えていると の報道もあり、景気指標が悪ければ、政策期待が高まることで日本株に とってむしろプラスに作用しやすい」との認識を示している。