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アジア金融危機は再来せず、中国がふらついても-ノイマン氏

減速する中国経済が域内の金融市場 を不安に陥れるとしても、1997年にアジアを襲った金融危機が繰り返さ れることはないだろうとの見通しをHSBCホールディングスのアジア 経済調査共同責任者フレデリック・ノイマン氏が示した。同氏は25日付 のリポートで、現状の「相違点の方が類似点よりも多い」と指摘した。

今後数年のうちにアジアはより緩やかな成長に向かうと同氏は予想 しながらも、16年前と同様の新たな混乱期をアジアが回避するとみる幾 つかの理由を挙げている。当時はタイから韓国に至るアジア各国が通貨 切り下げを余儀なくされ、リセッション(景気後退)に追い込まれた。

ノイマン氏は現状では大半の国が経常黒字を確保しており、これが 資本流出による打撃を緩和するはずだと分析。監督体制の改善や資本バ ッファーの拡大、預貸率の低下に伴い、銀行システムもより強固になっ ているようだと解説した。

同氏は資産と負債との間に「明らかな」ミスマッチも存在しないと 指摘している。90年代の対外債務の多くはドル建てだったが、最近は投 資家が引き受ける債務の大部分は自国通貨建てのため、ドルが急上昇し ても債務返済コストが急激に増えるような事態を招くことはないとみら れる。

アジア諸国はまた、90年代よりも潤沢な外貨準備を保有している。 短い通知期間で通貨スワップに対応する能力が高まり、これが通貨に対 する攻撃への備えになっている。

ノイマン氏は金融市場のボラティリティやレバレッジの広がりなど 新たなマイナス要因を指摘しながらも、「各国の防御態勢には力強さが 増した。アジアの成長は目覚ましいペースから、若干減速する程度にな る可能性が最も高い」と予想している。

原題:No 1997 Asian Crisis Return as China Trembles: Cutting Research(抜粋)

--取材協力:Alan Crawford.

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