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武田薬、ノロウイルスワクチン開発で先行-年内に初期治験終了

新種のウイルス性胃腸炎は胃を締め 付けるような痛みを伴うが、研究者らはこの苦痛を永久に阻止すること に一段と近づきつつある。

米国で胃腸炎の最大の原因とされるノロウイルスのワクチンについ て、初期段階の人体への治験が年内に終了する予定だ。開発する武田薬 品工業は予防接種の候補の中で最も先行することになると説明した。同 社のワクチン部門を率いるラジーブ・ヴェンカヤ氏によれば、このワク チンを接種すれば生涯にわたって発症を95%予防できる。

ノロウイルスワクチンが開発されれば、感染力が強く、治療が難し い病気の原因への対応に苦慮するクルーズ船や学校、介護施設にとって 朗報となる。米疾病予防管理センター(CDC)によると、同国では年 間2100万人が感染し、特に幼児や高齢者を中心に約800人が死亡する。

ニューサウスウェールズ大学(シドニー)のピーター・ホワイト教 授(微生物学)は、「ノロウイルスの強い感染性と院内感染を引き起こ す特徴を踏まえると、高齢者介護施設やクルーズ船には感染から守る予 防薬や予防措置が必要だ」と述べた上で、「高い感染リスクにさらされ ている人」や免疫機能が低下した人に対してワクチンは特に重要だろう と語った。

新薬が承認されれば、ノロウイルスワクチンの開発で武田が初の製 薬会社となる。バークレイズのヘルスケア担当アナリスト、関篤史氏 (東京在勤)は、この薬品は武田の年間売上高を最大4億ドル(約390 億円)押し上げる可能性があるとみている。

発売準備には「数年」

武田は健康被験者に対するワクチンの投与を昨年5月に開始した。 ヴェンカヤ氏は幼児や高齢者を対象とした治験を今後さらに進めるとと もに、1、2回の接種での効き目を確認するより規模の大きい調査を実 施する予定だと説明。さらにワクチンの発売準備が整うまでに「数年」 かかるだろうと語った。

武田は米リゴサイト・ファーマシューティカルズ(米モンタナ州) を昨年買収し、ワクチン開発を引き継いだ。武田は買収の一時金とし て6000万ドルのほかに、ワクチン開発の進捗(しんちょく)などに応じ た成功報酬をリゴサイトに支払う。リゴサイト買収は253億ドル規模に 上る世界のワクチン市場で事業強化を狙う武田の戦略の一環。

原題:Vomiting Bug Vaccine Seen as Shot in the Arm for Cruises: Health(抜粋)

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