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円下落、日米金利差拡大やアベノミクス期待で-一時98円前半

東京外国為替市場では円が下落。米 量的緩和の縮小観測を背景に日米金利差が約2年ぶりの水準まで拡大し ていることや、夏の参院選の前哨戦となる東京都議会議員選での与党の 圧勝を受け、安倍晋三政権の経済政策が進むとの期待が強まったことが 円売りにつながった。

ブルームバーグ・データによると、午後4時1分現在、円は主要16 通貨中11通貨に対して前週末終値比で下落。対ドルでは一時、1ドル =98円70銭を付け、11日以来の安値を更新した。同時刻現在は98円47銭 前後で推移している。

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「米金利上昇 などを反映してドルがじりじりと買われる一方、週末の選挙や日本株の 底堅さを見ながら円が売られた」と説明。「きょうはドル高と円安の両 方だ」と話した。

円は対ユーロでも1ユーロ=128円台前半から一時129円21銭まで下 落。一方、ユーロ・ドル相場は日本時間早朝に1ユーロ=1.3087ドルと 6日以来の水準までドル高が進み、その後は1.3100ドルを挟んで一進一 退の展開となった。

米量的緩和縮小観測

ブルームバーグがエコノミスト54人を対象に実施した調査では、9 月の連邦公開市場委員会(FOMC)で資産購入を毎月650億ドルに縮 小すると予想した回答者が全体の44%となり、今月4、5日時点での調 査(27%)から増加した。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が19日のFOMC 後の会見で年内に債券購入の減額する可能性に言及して以降、外国為替 市場ではドル全面高の流れが続いており、週明けの東京市場でもドルは 主要16通貨中15通貨に対して上昇している。

米10年債利回りは24日のアジア時間に2011年8月以来の高水準とな る2.6%台へ上昇。上田ハーローの森宗一郎マーケット企画部次長は、 「米株式市場が米金利上昇を徐々に吸収する傾向にあり、今週発表され る米経済指標の内容が比較的良好な内容であれば、アメリカへの資本回 帰という好循環で相対的にドルは堅調に推移しやすい」と予想してい る。

都議選で自公圧勝

23日投開票された都議選(定数127)で自民党は59人、公明党が23 人の候補者全員が当選して連立与党で過半数を確保、自民党は都議会第 1党の座を奪回した。参院選(7月4日公示、21日投開票見通し)の 「前哨戦」で大勝したことで、安倍政権にとって参院で野党が多数派を 占める「ねじれ」の解消に向け、弾みがついた。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 「政権基盤が安定することにより、消費増税のほか、期待されている法 人税減税も含めて安倍政権の政策の実現性が高くなるという判断があ る」とし、「海外勢も基本的にアベノミクスが続くことを歓迎してい る」と話した。

また、みずほ証の鈴木氏は、「アベノミクスは『アベクロ』と言わ れるぐらい日銀の緩和とワンセットなので、外人にとっては日本株ロン グ(買い持ち)・円ショート(売り持ち)といった発想が強いのではな いか」と解説した。

週明けの東京株式相場は続伸して始まり、TOPIXは一時前週末 比1%を超える上げとなった。しかし、中国株などアジア株が下落する 中、午前半ばにはマイナスに転換。取引終盤には下げ幅を拡大し、 TOPIXは0.9%安で引けた。

鈴木氏は、今は米国の緩和政策の方向性の転換を各市場が織り込み に行っている状況だとし、ドルについては米金利の高止まりを背景に 「緩やかな上昇」が続くと予想。一方、「中国株安などを嫌気して、世 界的にリスクオフの動きが広がると、再び円買いに変わる可能性もある ので安心できない」と話した。

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