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【クレジット市場】リート最大手10年債で低利資金、アベノミクス効果

デフレ脱却を目指す安倍政権下で不 動産市況回復の兆しが見え、日本版不動産投資信託(J-REIT)最 大手日本ビルファンド投資法人が約2年ぶりの起債に踏み切った。アベ ノミクスで金利先高観が浮上していることも背景にある。

日ビルF投の2011年9月以来の投資法人債は100億円で利率1.168% の10年債。ブルームバーグ・データによると10年物国債利回りに対する スプレッド(金利上乗せ幅)は32ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)。日本企業の平均34bpや世界の不動産企業の平均158bp (バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ調べ)を下回る。

大胆な金融緩和を標榜した安倍政権は昨年末に発足、不動産市場で は資産インフレ期待から東証REIT指数が4月に08年1月以来の高値 を付けた。不動産証券化協会によると1-5月のJ-REITの公募増 資と新規公開の合計額は3893億円と、昨年通年の8割を超えた。資産取 得額は1兆円超と昨年実績の約7900億円を既に上回っている。

みずほ証券の石澤卓志チーフ不動産アナリストは、投資法人債の年 限は5年が一般的なのに対して今回は10年と長いと指摘。政府・日銀が デフレ克服を目指しており「金利先高観がある中で、長期資金を低い金 利で調達できた」と、発行体にとって良かったとの見方を示した。

ブルームバーグ・データによると、日ビルF投の既発10年債(2017 年償還)の対円スワップレートのスプレッドは19日時点で25bpと、安 倍政権が発足した昨年末に比べて半分以下に低下。事業環境の好転を背 景に信用力が改善している。

長期金利が落ち着く

日ビルF投の資産運用会社である日本ビルファンドマネジメントの 投資本部ゼネラルマネジャー森俊彦氏は、この時期に起債した背景につ いて「4、5月の状況と比べると、今は基準金利の10年物国債利回りが 相対的に落ち着き、投資家にも買いやすい状況になった」と話す。

長期金利は、日本銀行が異次元緩和に踏み切った翌日の4月5日に 過去最低の0.315%を付けた後、5月には1年1カ月ぶりの1%まで上 昇するなど変動が激しかった。6月に入ってからはおおむね0.8-0.9% の間で推移している。

調達資金は6月に返済期限が来る借入金返済の一部に充てるとい う。発行の理由については「長期有利子負債の比率を高め、金利上昇リ スクおよびリファイナンスリスクの軽減を図る」と発表している。

地価上昇広がる

J-REITを中心とする不動産投資の活発化は地価値上がりにつ ながっている。2013年1月1日-4月1日(第1四半期)の地価動向報 告によると、全国主要150地区のうち3カ月前と比べ地価が上昇したの は80地区で前回の51地区から増加した。

東京・大阪の都心で不動産投資意欲が高まっていることなどが地価 の押し上げ要因となった。上昇地区の全体に占める割合は約53%と前回 の34%から高まった。上昇地区が過半数を超えたのは、リーマンショッ クの前の年の07年第4四半期の87%以来初めて。

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