コンテンツにスキップする

NY外為:ドル上昇、FRB議長発言でキャリートレードに損失

ニューヨーク外国為替市場ではドル が全面大幅高の展開。緩和縮小が近づいていることを米金融当局が示唆 したため、ボラティリティが1年ぶりの高水準となり、キャリートレー ドで損失が発生した。

ドルは主要16通貨の大半に対して上昇した。ドイツ銀行のG10・ FXキャリー・バスケット指数は昨年10月以来の低水準となった。バー ナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日、景気が回復を続け れば年内に金融緩和の規模を縮小し始める可能性があると発言したこと が背景にある。対ドルでの主要31通貨のうちインド・ルピーは今月に入 って4.8%安と、最も下げがきつい。同国中央銀行はルピー防衛で市場 介入を実施したとみられている。

イートン・バンス・マネジメントのポートフォリオマネジャー(ボ ストン在勤)、エリック・スタイン氏は電話インタビューで、「市場は 『考えるのは後回しにしてまず行動する』モードにあるようで、ドルが 大幅高となり、キャリートレードの解消が起こっている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.6%高の1ユ ーロ=1.3220ドルと、5月9日以来の大幅高となった。対円では0.9% 上昇して1ドル=97円28銭。円は対ユーロで0.3%安の1ユーロ=128 円61銭。

ドル指数

主要6通貨に対するドルの動きを示すインターコンチネンタル取引 所のドル指数は0.6%上昇して81.779と、6日以来の高水準。ブルーム バーグがエコノミストやストラテジストを対象に実施した調査による と、ドル指数は年末までに85.7に上昇すると予想されている。

JPモルガン・チェースのグローバルFXボラティリティ指数 は11.51%と、2012年6月7日以来の高水準となった。過去1年の平均 は8.66%。

米10年債利回りは一時2.47%と、2011年8月以来の高水準に達し た。前日には豪10年債利回りを1.07ポイント下回り、利回り差は08年11 月以来の最小に近づいた。日本国債に対しては1.54ポイント上回り、11 年8月以降で最大に拡大した。

トロント・ドミニオン銀行のチーフ通貨ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は「ごく最近のキャリートレードは手痛くやられてい る。新興市場や主要10カ国の高利回り通貨で運用するキャリートレード では、米国の金利が上昇すると資金調達コストが格段に上がる」と語っ た。

キャリートレード

ドイツ銀のキャリー指数は2012年に6.8%上昇した。日米およびユ ーロ圏の経済統計が弱く、中央銀行が低金利を維持し、成長促進のため に市場に資金を供給するとの見方が背景にあった。こうした状況が変わ りつつあり、ボラティリティが上昇、キャリートレードに悪影響を与え ている。キャリートレードは各地域での予想可能な金利に依存してい る。

ナショナル・オーストラリア銀行の為替ストラテジスト、ギャビ ン・フレンド氏(ロンドン在勤)は「量的緩和第3弾は来年の半ばで終 わる可能性が高いと今ではみられており、ドルがまず上昇した。市場は これを欧米から新興市場に流れた安い資金の終わりだとみている」と述 べた。

原題:Dollar Surges as Bernanke Sparks Carry Trade Plunge; Rupee Falls(抜粋)

--取材協力:大塚美佳、Yewon Kang、Masaki Kondo、Ari Altstedter.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE