コンテンツにスキップする

インフレが国民を直撃-W杯控えたブラジルでデモ活動広がる

ブラジリアに住む32歳の電気技師フ ランシスコ・ソアレスさんは初めての自家用車で通勤を始めた2年前、 快適な生活だと感じていた。混雑したバスに乗らなくて済むし、音楽を 聞きながら出勤できる。だがその後、請求書が膨れ上がり始め、生活費 も急上昇した。先週、その車を売りに出す羽目になった。

ブラジルではここ10年で4000万人が貧困から抜け出したが、中間所 得者層は現在、インフレ加速と債務拡大、ブラジル・レアル安に苦しん でいる。買い物での出費を切り詰めている国民の間に、バス運賃値上げ きっかけとなり抗議活動が広がった。首都では17日、抗議行動の参加者 が議会を取り囲んだ。リオデジャネイロでは車に火が放たれたほか、主 要都市で数万人規模のデモが繰り広げられた。

新興国であるブラジルは、自動車と携帯電話の市場で世界のトップ 5入りするほどに成長したが、それをけん引してきたのが中間所得者層 の台頭だ。労働党が2010年に大統領選挙で3回連続勝利を収めたのに寄 与したのも中間所得者層だった。

だが今や一部の国民にとって新車購入や米フロリダ州のディズニー ワールドへの旅行といった夢はしぼみつつある。ルセフ大統領への支持 も同じように低下している。

サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会をほぼ1年後に控 え、満員のサッカースタジアムに15日に現れたルセフ大統領には怒号が 浴びせ掛けられた。10年と同じように再びルセフ大統領に投票するかと 尋ねたられたソアレスさんは、「まさか」との返事だった。

リオデジャネイロのシンクタンク、ジェトゥリオ・バルガス財団の レナト・フラジェリ教授(経済学)は、「全盛期は終わり、国民を心地 良くさせる要因はなくなった。ミドルクラスが消えてしまったわけでは ない。人々は得るものが少なくなっていると感じている」と指摘する。

フォリャ・ジ・サンパウロ紙のウェブサイトによれば、データフォ リャはサンパウロでは17日、6万5000人が抗議活動に参加したと推計し ている。グロボ紙のウェブサイトは、リオデジャネイロでは10万人が路 上に繰り出したとしている。

原題:Protests Show Brazilian Dream Fading as Rousseff Popularity Ebbs(抜粋)

--取材協力:Joshua Goodman、Arnaldo Galvao.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE