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米サード・ポイント:ソニー保有株を7000万株に買い増し

ソニーにエンターテインメント事業 の分離上場と一部株式放出を提案していた米投資ファンド、サード・ポ イントは、ソニーの所有株を買い増したと17日付の平井一夫社長宛ての 書簡で明らかにした。

ブルームバーグが入手した書簡によると、サード・ポイントはソニ ーの株式を7000万株に買い増した。内訳は4600万の普通株式と2400万の 現金決済のスワップだとしている。5月14日時点では普通株とスワップ で計6400万株だった。保有比率は発行済み株式の約6.3%相当から 約6.9%に増えた。

「物言う投資家」として知られる同ファンドのダニエル・ローブ最 高経営責任者(CEO)は、先月ソニーにエンタメ事業を上場し株式15 -20%を放出するよう提案した。ソニーは同事業を売却する予定はない とした上で、平井社長は先月の経営方針説明会で取締役会を通じて「徹 底議論して回答する」と答えていた。

今回の書簡でローブ氏は、エンタメ事業を上場して一部流通させる ことが「ソニー全体を強くする」と重ねて主張。その上で、ソニーの取 締役会や助言を受けている投資銀行と議論する機会を近いうち求めると も明らかにした。ソニーは米モルガン・スタンレーとシティグループか ら助言を受けていると関係者が明らかにしている。また、ローブ氏は大 株主としてソニーの取締役会に入り経営改革に参画する意欲もあらため て提案した。

取締役候補にローブ氏の名なし

水戸証券の若林恵太アナリストは、ソニーは「きちんと取締役会で 検討することを表明している。そういったリアクションを評価したのだ ろう」とした一方で、「エンタメ部門の一部売却がとんとん拍子に進む とは思えない」と語った。

ソニーの広報担当、今田真実氏はサード・ポイントの書簡を受け取 ったことを確認するとともに、「取締役会で適切に検討している」と電 話で語った。

ソニーは20日に株主総会を控えている。株主総会招集通知による と、取締役13人の選任にあたり、原田泳幸日本マクドナルド社長など3 人を新社外取締役候補に挙げているが、ローブ氏の名はそのリストにな い。

相乗効果

ソニーのテレビ事業は9期連続の赤字。米調査会社のディスプレイ サーチによると、薄型テレビの世界シェアは今年1-3月期に韓国と中 国メーカーに抜かれ、前年度の3位から5位に落ち込んだ。ローブ氏は 5月の書簡でエンタメ事業を上場させることで集めた資金を本業のエレ キ事業の再生に注入できると提案。今回の書簡でも上場により両事業の 相乗効果が一層強まると重ねて指摘している。

ドイツ証券の中根康夫アナリストは、エンタメ事業は同業他社と比 べると、「今の収益水準では甘過ぎる」と指摘した上で、上場から生じ る権限の分散や上場維持コストを勘案して、「今のまま収益を改善する 方がソニーにとって都合が良いということもあり得る」と語った。

ソニーの株価は一時、前日比5.1%高の2049円まで上昇、午後2 時15分現在、同4.4%高の2036円で取引されている。

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