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人気の急降下はチャンス、ルーミスは豪ドル建て銀行債を購入

オーストラリア・ドルほど、この2 カ月の間に投資家にそっぽを向かれた通貨はない。しかしルーミス・セ イレスのダン・ファス氏に言わせれば、これは買いのシグナルだ。

ファス氏は相対的な利回りの高さと3年後の為替相場に関する強気 見通しから、ある米銀の豪ドル建て債を購入したという。同氏が運用す るルーミス・セイレス・ボンド・ファンドの過去1年の運用成績はプラ ス13%と、同種ファンド97%より高い。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、大口投機家 の豪ドルのポジションは11日時点で、過去最大となる6万3277枚の売り 越しとなり、4月2日の8万3971枚の買い越しから一転していた。これ は主要通貨をめぐるポジションの10週間での変化としては最大。

ファス氏は「債券でも株でも通貨でも、相場が下げたところで買う ことにしている。2つが同時に下がればもっといい買い時だ。当社のオ ーストラリアについての長期見通しは比較的強気だ」と語った。

豪ドルは先週、2010年9月以来の安値を付けた。今四半期に入って から7.7%下げ、シドニー時間17日午後2時13分(日本時間午後1時13 分)現在は1豪ドル=0.9621米ドル。これは主要31通貨中で最大の下 げ。昨年末までの4年間には48%上昇していた。

オーストラリア株も下落基調。指標のASX200指数は6月に入っ て2.2%下落。5月は5.1%安と1年ぶりの大きな下げだった。債券も、 5月の1年半ぶり大幅下落後も引き続き下がっている。10年物豪州債利 回りは17日、4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇 し、3.40%。5月は27bp上昇した。

豪ドルに強気

ファス氏のファンドはこのところ、年限3年程度の豪ドル建て債を 買っているという。同氏はどの銀行の社債を買ったかは述べなかった。 モルガン・スタンレーとバンク・オブ・アメリカ(BOA)、JPモル ガン・チェースは5月に豪ドル建て債を発行。ブルームバーグのデータ によれば、モルガン・スタンレーは2018年11月償還債7億豪ドル (約640億円)を発行している。

ファス氏は「利回りは大きく上昇している。償還までの期間は十分 に長い。3年の期間での豪ドルに強気だ」と語った。米銀債の購入で豪 ドル建てポジションは純増したと述べた。4月の同社発表によると、ル ーミス・セイレス・ボンド・ファンドの豪ドル資産比率は3月末時点で 約3.5%だった。

ルーミスは豪ドルに強気だが、アナリストらは豪ドルの相場見通し を引き下げている。ブルームバーグのデータによれば、年末の予想は1 豪ドル=0.96米ドルと、4月30日時点の1.03米ドルから下がってい る。14年末の予想は0.94米ドル。

3-5年先の見通し

この背景には、資源投資の減速や中国の需要後退によるオーストラ リアの成長鈍化への懸念がある。1-3月(第1四半期)の国内総生産 (GDP)は前年同期比2.5%増とエコノミスト予想の2.7%増を下回っ た。中国の今年の成長率予想についても、エコノミストらは7.8%と年 初の8.1%から下方修正している。

ファス氏は「目先の減速は分かっている。中国経済に圧力があるの も理解している」とした上で、「3、4、5年先については、商品需要 と価格環境についてそれほど弱気ではない。そこが他社の見通しとの基 本的な違いだ」と話した。

豪ドルに強気な理由として、オーストラリア政府が財政均衡を重視 していることや年金システムが資金不足でないことを挙げた。国際通貨 基金(IMF)から準備通貨として認められることも豪ドルを支えると 指摘。「3年後に1豪ドル=1.05米ドルがあり得るかと言えば、当社は あり得るのではなくその可能性が高いと考えている」と述べた。

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