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【今週の債券】長期金利0.8%割れ試す展開、オペや国債償還で低下圧力

今週の債券市場で長期金利は0.8% 割れを試す展開が予想されている。日本銀行による国債買い入れオペや 国債償還で需給改善が見込まれ、金利低下圧力が掛かりやすいためだ。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが14日に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジは 全体で0.77%-0.90%となった。前週末終値は0.815%。

現物債市場の需給環境は改善する方向にある。週前半の20年債入札 を通過すると、月内は流動性供給入札を除くと長期や超長期ゾーンの新 規発行がない。20日には国債大量償還を迎える。東短リサーチによる と、20日は国債償還要因などで4.3兆円の資金余剰となる見込みだ。

日銀は前週に2回の長期国債買い入れオペを実施した。今週も同オ ペ実施の可能性がある。黒田東彦日本銀行総裁は前週の会見で、年間50 兆円ペースという巨額の買い入れが金利に下方圧力を加えていると指 摘。「その効果は毎月、毎月買い入れを進めるごとに、さらに強まって いく」と述べた。

米国の量的緩和策の縮小観測を背景に、足元で株式・為替市場が不 安定化している。前週の長期金利は、円高進行や株価急落を受けて、一 時1カ月ぶりに0.8%を割り込んだ。みずほ証券の三浦哲也チーフ債券 ストラテジストは金利上昇モメンタム(波動)は徐々に弱まりつつある との見方を示した。

18日には20年利付国債の入札が実施される。発行額は前回債と同額 の1兆2000億円程度。前週末の入札前市場で20年物は1.68%付近で推移 しており、表面利率(クーポン)は前回債より0.1ポイント高い1.7%と なる見込み。

海外では米連邦準備制度理事会(FRB)が18、19日に米連邦公開 市場委員会(FOMC)を開催し、19日にはバーナンキFRB議長が記 者会見を行う。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は9月物、10年国債利回りは329回債

◎岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長

先物9月物142円00銭-143円30銭

10年国債利回り=0.77%-0.88%

「外部環境の改善や国債大量償還など需給面の追い風で長期金利 は0.8%割れをうかがう場面もありそう。今週はFOMCが最大の注目 材料。新興国を中心に金融市場が不安定なため、バーナンキ議長の量的 緩和縮小に関する発言がトーンダウンする公算がある。18日の20年債入 札も無難にこなしそう。週初に金利が下がると需要が細る恐れがあるも のの、利回り1.7%付近での生保などの買いがサポートしそう」

◎大和証券債券調査グループの山本徹チーフストラテジスト

先物9月物142円50銭-143円20銭

10年国債利回り=0.78%-0.85%

「FOMCに向けてグローバルアセット全体が安定してくるとみて おり、金利が低下することでリスク資産の買いも回復するだろう。 FRBは量的緩和の債券購入を縮小する方向に変わりはないが、金融引 き締めとの区別をはっきりさせるだろう。市場の誤解を解くことで先進 国の短中期金利も安定する。20年債入札は順調にこなすとみている。ボ ラティリティも徐々に低下していくとみて良いのではないか」

◎パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用部長

先物9月物142円00銭-143円30銭

10年国債利回り=0.78%-0.88%

「20年債入札が終われば主要な入札はなく、日銀の国債買い入れオ ペも入ってくる。20日には国債償還・利払いの資金が債券市場に流入し てくるとみられるため、需給が良くなる方向なので、好材料に反応しや すい。長期金利は0.7%台を試す感じではないかとみている。FOMC も今回は債券の売り材料になるような内容は出ないとみている」

◎マスミューチュアル生命運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長

先物9月物142円20銭-143円20銭

10年国債利回り=0.80%-0.90%

「債券相場は安定推移になると予想する。FOMCは前回と同じ か、量的緩和を継続するかどうかを検討するといった内容ではないかと みている。ただ、量的緩和の縮小観測は払拭(ふっしょく)されないだ ろう。景気が良いうちに1回縮小して様子を見たいのではないか。20年 債入札は無難な結果になると思う」

--取材協力:赤間信行、船曳三郎 Editors: 山中英典, 崎浜秀磨

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