コンテンツにスキップする

【日本株週間展望】為替にらみ荒い、底固めへFOMC試金石

6月第3週(17-21日)の日本株 は、荒い値動きが続きそうだ。投資指標面の割安感から下値では買いも 入り始めたが、底打ち感が強まるには円相場の落ち着きが待たれる。米 国の量的緩和策の縮小時期をめぐる議論が活発化する中、18、19両日に 開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)への注目度は高い。

パインブリッジ・インベストメンツの前野達志執行役員は、相場の 変動があまりに大き過ぎ、「買うに買えない状況。週半ばにかけてボラ タイルな展開は続く」とみている。「FOMC後に落ち着きを取り戻せ るかどうかが焦点」と言い、米金融政策への過度な懸念が後退し、為替 が円安方向に振れれば、日本株も反発局面に入ると読む。

市場参加者が予想する将来の日経平均株価の変動率を示した日経平 均ボラティリティ・インデックスは、13日に46.19と東日本大震災発生 後の2011年3月18日(49.95)以来の高水準に跳ね上がった。

第2週の日経平均株価は、前週末比191円(1.5%)安の1万2686円 と4週続落。5月の米雇用統計が強弱入り交じる内容で、米量的緩和の 早期縮小に対する警戒が薄れた週初に636円高と、年初来最大の上げを 記録した。しかしその後は、円高加速や米国株安に連動して売られる場 面が多く、13日には一転843円安とことし2番目の下げとなった。

円安回帰が焦点、売られ過ぎ感も

直近の為替市場では、運用リスクが相対的に低い通貨とされる円へ の買い圧力が強まり、ドル・円相場は日本時間13日午後に一時1ドル =93円79銭と、日本銀行の「質的・量的金融緩和」が発表された4月4 日以来の円高値を付けた。5月22日には103円74銭まで円安が進んだ が、その後は円高方向へ反転傾向にある。

明治安田アセットマネジメントの小泉治執行役員は、企業側の今期 想定為替レートが総じて慎重なことから、「1ドル=98円程度まで円安 方向に戻せば、輸出関連銘柄の収益上振れ期待が再び高まり、下値不安 は和らぐ」と指摘する。主要輸出企業の対ドル想定レートは、ホンダや キヤノン、日立製作所、コマツが95円、トヨタ自動車やソニー、任天堂 は90円、パナソニックは85円となっている。

日本株との相関性が高い米国株の動向からも目が離せない。世界的 にリスクを敬遠する傾向が強まる中、12日にダウ工業株30種平均はこと し初の3日連続安となった。5月に史上最高値を更新したダウ平均は、 ここにきて変調の兆しを見せている。

一方、ブルームバーグ・データによると、TOPIXの予想株価収 益率(PER)は13.4倍、株価純資産倍率(PBR)は1.13倍。明治安 田アセットの小泉氏は、「業績改善モメンタムの強さも考慮すれば、グ ローバルで見た日本株のバリュエーション面での割安感が出てきてい る」と言う。テクニカル指標では、東証1部の上昇・下落銘柄の割合を 示す騰落レシオが14日時点で売られ過ぎとされる70%まで低下、約1年 ぶりの低水準となった。日経平均の25日移動平均線からの下方かい離率 は9.7%と、目先下げ過ぎを示す5%を大きく超えている。

QE3縮小への言及に関心

米連邦準備制度理事会(FRB)による量的金融緩和第3弾(QE 3)の縮小時期をめぐり、市場参加者が神経をとがらせる中、18-19日 にFOMCが開かれる。今回の会合では、金融政策に変更はないと市場 でみられており、FOMC後の声明やバーナンキ議長の会見などで、 QE3縮小への言及がなされるかどうかに関心が集まる。パインブリッ ジの前野氏は、「米経済はまだそれほど強くなく、FRBが資産購入額 の削減を急ぐとは考えていない」としている。

ゴールドマン・サックス証券のチーフ日本株ストラテジスト、キャ シー・松井氏は「QE3縮小・出口のプロセス、タイミングに関しての 意見が、マーケットの中で大きく分かれている」と指摘。米国の消費や 雇用市場の安定度が関連指標を通じ着実に高まるようなら、QE3から の出口観測が広がったとしても、いずれマーケットはポジティブに受け 止め始める、と予測した。

17-18日に英国の北アイルランドで開催される主要8カ国(G8) 首脳会議では、デフレ脱却と成長路線への回帰に向けた日本の取り組み が議題になる見通し。アベノミクスの「第3の矢」と位置付ける成長戦 略を14日に閣議決定した安倍晋三首相が、その内容をうまく各国にアピ ールし、日本経済の先行き不安の払拭(ふっしょく)につなげられれ ば、株高要因になり得そうだ。

このほか第3週は、国内で17日に5月の首都圏マンション発売統 計、19日に5月の貿易統計が公表予定。米国では17日に6月のニューヨ ーク連銀の製造業景況指数やNAHB住宅市場指数、18日に5月の住宅 着工件数や消費者物価、20日に5月のコンファレンスボード景気先行総 合指数などが予定されている。新興国では、17日にインド準備銀行、18 日にトルコ中央銀行の金融政策決定会合があり、中国では20日に HSBCによる6月の製造業購買担当者指数(PMI)が発表される。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE