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白井日銀委員:下方リスク少し意識する必要-15年度2%目標達成

日本銀行の白井さゆり審議委員は13 日午前、旭川市内で講演し、生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI) の前年比が2015年度に2%程度に達する可能性が高いという日銀全体の 見通しについて、上下のリスクは「おおむねバランスしている」もの の、「あえて言えば下方リスクを少し意識する必要があると個人的には 考えている」と述べた。

日銀は4月末の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、コ アCPI前年比が14年度にプラス1.4%、15年度はプラス1.9%との見通 し(政策委員の中央値、消費税引き上げの影響を除く)を示している。

白井委員は、「消費税率引き上げに伴う個人消費減少を懸念する企 業が多い場合は、消費税上乗せ分以上の販売価格の引き上げを14年度に 行わず、一部を15年度以降に先送りする可能性があるかもしれない」と 指摘。「そうした点を考慮すると14年度の物価上昇率は想定よりも下振 れる可能性を意識している」と語った。

長期金利については「上昇圧力が強まる局面であっても、日銀の量 的・質的緩和によって金利低下圧力が継続的に掛かり続けることと、 2%物価目標の安定的実現に向けたコミットメントを通じて、最終的に 2%物価安定目標と整合的な水準へ向けて安定していくことが見込まれ る」と指摘。

その上で「日銀としては、今後も債券を含めた金融市場の動きを丹 念に点検しつつ、市場参加者との意見交換等を通じた柔軟なオペ運営と も相まって、長短金利ともに全体として安定的な経路に沿って推移する ことを期待している」と語った。

景気見通しのリスクは「バランスしている」

白井委員は景気について「持ち直している」と指摘。「特に政府の 各種経済対策や復興関連予算増額もあって歳出が大きく上振れているこ とや、昨年末以降の金融緩和政策への期待と4月の量的・質的緩和導入 もあって、足元調整の動きが続いているものの、株高・円安方向で推移 してきたことが、景気にプラスの効果をもたらしている」と述べた。

先行きについても「金融緩和や経済対策などの効果もあって国内需 要が底堅さを増し、海外経済も米国と中国を中心に成長率が次第に高ま っていき、円安方向の動きもあって、輸出や鉱工業生産は回復してい く」と指摘。「13年央ころには緩やかな回復経路に復していく」との見 通しを示した。景気の先行きに対する上下のリスク要因については「全 体としてバランスしている」と述べた。

13日の東京市場では、円の対ドル相場が2カ月ぶりの高値となる1 ドル=94円台まで円高が進行。株式市場は先物主導で大幅に続落し、 TOPIXは前日比44.87ポイント(4.1%)安の1051.67で午前の取引 を終えた。

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