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6月11日の米国マーケットサマリー:円が上昇、株続落―日銀に失望

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3313   1.3257
ドル/円             95.97    98.76
ユーロ/円          127.76   130.93


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       15,122.02     -116.57    -.8%
S&P500種           1,626.13     -16.68    -1.0%
ナスダック総合指数    3,436.95     -36.82    -1.1%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .32%        +.01
米国債10年物     2.17%       -.04
米国債30年物     3.30%       -.07


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,377.00    -9.00     -.65%
原油先物         (ドル/バレル)   95.24      -.53     -.55%

◎NY外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円がドルに対しここ3年で最大の上 げとなった。日本銀行が追加刺激策を打ち出さなかったことが手掛か り。

円は対ドルで3営業日ぶりの反発。日銀の黒田東彦総裁は、期間1 年超の資金供給オペ導入を見送った。またこの日は米3年債入札で需要 が低調だったものの米国債相場が上昇。そうした中で円は対ドルでの上 昇を拡大する展開となった。オーストラリア・ドルはほぼ3年ぶりの安 値に下落。豪住宅ローン承認件数の伸びが市場予想に届かなかったこと に反応した。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の外国為替戦略の責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロ ンドン在勤)は電話取材で、「黒田総裁からは、金融政策面でもう少し 市場寄りの発言が期待されていた」とし、「配慮らしき言葉はあったも のの、円安バイアスを維持させるような材料はなかった」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時23分現在、円は対ドルで前日比2.7%上 昇の1ドル=96円11銭。一時3.2%高と、終値ベースで見た場合の2010 年5月以降最大の上昇率となった。対ユーロでは2.3%上げて1ユーロ =127円90銭。ユーロはドルに対し0.4%高の1ユーロ=1.3289ドルと、 2月19日以来の高値を付けた。

◎米国株式市場

11日の米株式市場ではS&P500種株価指数が続落。日本銀行の黒 田東彦総裁が追加の金融政策について、「今のところそういう必要性は ない」と発言したことが売りを誘った。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指 数は1%下げて1626.13。ダウ工業株30種平均は116.57ドル(0.8%)下 げて15122.02ドル。

ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクで副最高投資責任者 (CIO)のエリック・デービッドソン氏は、「市場参加者は金融緩和 に対して中毒に近い状態だ」と指摘、「金融緩和の縮小や停止を示唆す る兆候なら何であれ、しかも日銀のケースはこれに相当せず、これ以上 の積極的な緩和策を講じることはないと述べただけなのに、市場ではこ れを理由に懸念が強まった」と述べた。

日銀は11日開いた金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を全員 一致で決定した。会合では「マネタリーベースが年間約60兆-70兆円に 相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う」との方針を据え置 いた。

黒田総裁は定例記者会見で、会合で期間1年超の資金供給オペ導入 を見送ったことについて、長期金利のボラティリティ(変動)が足元で 低下していることなどから、「今のところそういう必要性はない」との 認識を示した。一方で「将来、必要になったら検討する」と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は反発。リスク選好が弱まり、ドルや株式相場、商品価 格が下落したため、安全な逃避先を求める資金が米国債市場に流入し た。

3年債入札(規模320億ドル)で需要が2010年以来の低水準にとど まり、米国債利回りは上昇する場面もあった。朝方には米金融緩和の規 模が縮小されるとの懸念から利回りは1年2カ月ぶりの水準に上昇し た。日本銀行が追加の金融政策の導入を見送ったため、外国為替市場で は円高・ドル安が進んだ。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「海外市場の影響を受けている。しばらく債券市場の大きな注 目材料となっている円が上昇した。入札不調の影響を抑えて、国債は小 幅に上げた」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後2時24分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.19%。一時は2.29%と、2012年4月4日以来 の水準に上昇した。

30年債利回りは4bp低下の3.33%。一時は12年4月以来の高水準 となる3.43%に上昇する場面もあった。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。約2週間ぶりの安値となった。金 融当局が緩和策を縮小するとの観測が背景。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は前日、米 国の信用格付け「AA+」の見通しを「ステーブル(安定的)」に引き 上げた。財政をめぐるリスクが後退しているとの認識を理由に「ネガテ ィブ(弱含み)」から変更した。日本銀行は政策方針の現状維持を決定 し、資金供給オペの期間延長も見送り、世界の政策当局が緩和策を縮小 するとの見方が強まった。中国市場は祝日のため12日まで休場となって いる。

ビジョン・ファイナンシャル・マーケッツ(シカゴ)の金属トレー ディング担当ディレクター、デーブ・メーガー氏は電話インタビュー で、「きょうは緩和策をめぐる観測が材料になった」と指摘。「中国市 場が休場のため、現物買いも鈍い」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.6%安の1オンス=1377ドルで終了。一時は1364.50ドル と、中心限月としては5月23日以来の安値となった。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油先物相場は続落。日本銀行が市場の期待に反して 政策方針の現状維持を決めたことで、追加刺激に対する中央銀行の抵抗 が強まっているとの見方が広がった。

黒田東彦総裁率いる日銀は、長期金利の乱高下を抑えるための資金 供給オペの期間延長を見送った。これを受けて世界的に株価と商品相場 が下落した。北海のバザード油田が今週生産を再開したため、ブレント 原油の下げはウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)よ り大幅となった。

サミット・エナジーのアナリスト、ジェイコブ・コレル氏(ケンタ ッキー州ルイビル在勤)は「市場は全面安の展開だ」と指摘。「原油は 他の金融市場と同じ方向に動いている。市場は世界有数の経済国である 日本を注視している」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限は前日 比39セント(0.41%)安の1バレル=95.38ドルで終了した。

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