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日銀総裁:「必要になったら検討、現時点で必要ない」-1年超オペ

黒田東彦総裁は11日午後、定例記者 会見で、同日開いた金融政策決定会合で期間1年超の資金供給オペ導入 を見送ったことについて、長期金利のボラティリティ(変動)が足元で 低下していることなどから、「今のところそういう必要性はない」との 認識を示した。一方で「将来、必要になったら検討する」と述べた。

金融市場では長期金利を安定化させる手段として、現在1年に限定 している固定金利(0.1%)方式の共通担保オペの期間を延長すること への期待が一部で高まっていた。黒田総裁は同日の会合で「メリットと デメリットに関し、議論があったのは事実」と述べた。

その上で、期間を延長しなかった背景について「金利が跳ね上がっ たり、特にボラティリティが上昇するのを抑制するため、必要に応じて 弾力的にオペを行っていくことで対応していける」と言明。

さらに、1年超のオペは「ボラティリティを抑える効果がある」と しながらも、「これまでの弾力的なオペ運用によりボラティリティがだ いぶ収まっているので、今何か新たなツール(道具)を決める必要はな いのではないか、ということだった」と語った。

日銀の不動産投資信託(J-REIT)の保有残高が年末の見通し (1400億円)にほぼ達していることから、市場の一部では、同日の会合 でJ-REITの買い入れ額が引き上げられるのでないかとの見方も出 ていたが、日銀は金融政策の現状維持を決定した。

REIT買い入れは弾力的に対応

黒田総裁はこれに関し、年末保有残高見通しの1400億円について 「いわゆる買い入れ上限ではないので、引き続きJ-REITの保有残 高が年間約300億円に相当するペースで買い入れは継続していく」と述 べた。

また、「指数連動型上場投資信託(ETF)が株式市場全体との関 係でかなり余裕があるのに対し、REITは不動産市場全体との関係で 言っても非常に小さし、REITの市場自体もそれほどないので、短期 的に大きく買い入れを増やすことは難しい」と指摘。一方で「市場を十 分注視し、弾力的に対応できるところは対応していく」と語った。

株価や為替相場が不安定な動きを続けていることに対しては「日本 経済は順調に回復の道筋をたどっており、金融市場もそうした実体経済 の前向きの動きを反映し、次第に落ち着きを取り戻すとみている」と述 べた。

さらに、年間50兆円ペースという巨額の長期国債の買い入れを行っ ていることが、「長期金利のリスクプレミアム(上乗せ金利)を縮小さ せ、金利に下方圧力を加えている」と指摘。「その効果は、毎月、毎月 買い入れを進めるごとに、さらに強まっていく」と述べた。

量的・質的金融緩和の出口については「議論をするのはまったく時 期尚早」との考えを繰り返した。

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