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日銀会合:1年超のオペ導入は見送り、政策方針の現状維持を決定

日本銀行は11日開いた金融政策決定 会合で、政策方針の現状維持を全員一致で決定した。金融市場では、長 期金利の安定のため、日銀が1年以内に限定していた資金供給オペの期 限を延長するとの見方も一部にあったが、慎重論が強く見送られた。

会合では「マネタリーベースが年間約60兆-70兆円に相当するペー スで増加するよう金融市場調節を行う」との方針を据え置いた。年内の 買い入れ枠が埋まりつつある不動産投資信託(J-REIT)の買い増 しは見送ったほか、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ枠も 据え置いた。景気については「持ち直している」として、前月の「持ち 直しつつある」から判断をやや前進させた。

ブルームバーグ・ニュースが日銀ウオッチャー17人を対象に行った 事前調査でも、大勢が金融調節方針の現状維持を予想。1年以内に限定 していた固定金利(0.1%)方式の共通担保オペの期間延長について は、15人が今会合で実施される可能性があると指摘していた。

木内登英審議委員は前会合に続き、2%の物価安定目標の実現は 「中長期的に目指す」とした上で、量的・質的金融緩和を「2年間程度 の集中対応措置と位置付ける」提案を行ったが、8対1の反対多数で否 決された。日銀は4月4日の会合で、2年程度を念頭に置いて物価目標 をできるだけ早期に実現すると宣言。量的・質的金融緩和は物価目標を 安定的に持続するために「必要な時点まで継続する」と表明した。

貸出増加支援の供給額公表

日銀はまた、貸出増加支援の資金供給オペについて第1回実施予定 額を発表した。70金融機関に対し3兆1519億円を供給。内訳は大手8行 が2兆5400億円、62地域金融機関が6119億円。期間は1年が1914億円、 2年がゼロ、3年が2兆9605億円だった。同資金供給は白川方明前総裁 の下で昨年10月30日の金融政策決定会合で導入を決定した。

バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストは会合後のリポー トで、日銀が資金供給オペの期間延長を見送ったことについて、政策を 小出しにしないという黒田東彦総裁のこれまでの発言と「バランスが取 れている」としながらも、市場が円高・株安・金利上昇で反応している ことを踏まえると、黒田日銀は「柔軟性を欠く」と市場が解釈している 可能性がある、と指摘している。

会合前の市場の見方では、オペ期限延長の可能性が指摘されていた 一方で、見送りを予想する声もあった。東短リサーチの加藤出チーフエ コノミストは「長期金利の上昇ペースが急激な場合は導入の可能性を否 定できないが、弊害もあるため、しばらく様子見だろう」と予想。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラテ ジストは、期限延長は選択肢の1つとしながらも、「ポートフォリオ・ リバランス(資産の再構成)など他の政策目的と自家撞着(どうちゃ く)を来すなど問題含みなので、極力温存すべきだ」と指摘していた。

10月の追加緩和観測はやや後退

もっとも、5月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除いた コアCPI)が前年同月比0.1%上昇と、マイナスの予想に反して4年 2カ月ぶりにプラスに転じたことで、10月の経済・物価情勢の展望(展 望リポート)の前後に日銀が追加緩和に追い込まれるとの見方はやや沈 静化している。

JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは「従来は追加緩 和は早ければ今年10月と予想していたが、耐久家電の値下がり圧力後退 から、コアCPIの上昇圧力が予想よりも強い可能性が出てきたの で、10月追加緩和の可能性は低まった」と指摘。追加緩和予想時期を 「14年1月」に後ずれさせた。

黒田総裁は同日午後3時半に定例記者会見を行う。議事要旨は7 月17日に公表される。決定会合や金融経済月報などの予定は日銀がウェ ブサイトで公表している。

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