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6月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が下落、日銀が刺激策拡大との観測で安全需要が後退

ニューヨーク外国為替市場では円がドルに対して下落。日本銀行が 刺激策を拡大するとの観測から円の安全需要が後退した。円は先週ま で、週間ベースで3週連続高となっていた。

ドルは主要通貨の大半に対して上昇。米格付け会社スタンダード・ アンド・プアーズ(S&P)が米国の格付け見通しを「ステーブル(安 定的)」とし、従来の「ネガティブ(弱含み)」から引き上げ、金融当 局による資産購入ペース減速の観測が裏付けられたことが手掛かり。円 の対ドルでの下落率は過去1カ月で最大となり、株式市場では日経平均 株価も上昇した。日本の1-3月(第1四半期)の国内総生産 (GDP)改定値が速報値から上方修正され、政府のデフレ脱却に向け た取り組みを後押しする格好となった。日銀は11日に金融政策を発表す る。

ゲイン・キャピタル・グループ(ニューヨーク)のシニア為替スト ラテジスト、エリック・ビロリア氏は電話取材で、「ドル・円相場を動 かしている材料の一つは、米金融当局の緩和策減速をめぐる観測だ。こ れはドル上昇・円下落につながることが多い」と指摘。「日本では資産 購入の調整で大きく踏み込むことはないだろう。ただ議論はされる。ま た経済指標では、市場予想を上回る内容が見られ始めている」と続け た。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前週末比1.2%安の 1ドル=98円76銭。7日には94円99銭と、4月4日以来の円高・ドル安 水準を付けていた。対ユーロではこの日1.5%下げて1ユーロ=130円93 銭。ユーロは対ドルで0.3%上げて1ユーロ=1.3257ドル。

日銀政策

ブルームバーグ相関加重指数によると、円は今年に入り10.1%下落 と、パフォーマンスは先進10通貨中で最悪となっている。

事情に詳しい複数の関係者によれば、日銀は金融政策決定会合で、 1年に限定している資金供給オペを2年に延ばすかどうか議論する。足 元で長期金利が落ち着きを取り戻しつつあることなどから慎重論も聞か れ、票が割れる可能性もある。

シティグループの欧州・G10通貨戦略責任者バレンティン・マリノ フ氏(ロンドン在勤)は、「日銀の政策が債券市場のボラティリティ (変動性)抑制に十分だと見なされれば、日銀が積極的な緩和策を続け ることを意味し得る」と分析した。

安倍首相は9日出演したNHKの番組「日曜討論」で、参院選後の 秋に成長戦略の第2弾を策定する考えを表明した。首相は14日に閣議決 定する予定の成長戦略を「第1弾」と位置付け、「秋にはまさに第2弾 に取り組んでいこうと思っている。思い切った投資減税を決める」と述 べた。

米格付け見通し引き上げ

ドルは対円で2営業日続伸となった。S&Pは米国の信用格付け 「AA+」の見通しを「ステーブル(安定的)」に引き上げた。財政を めぐるリスクが後退しているとの認識を理由に「ネガティブ(弱含 み)」から変更した。

メリーランド大学のフィリップ・スウェーゲル教授は「米経済の改 善が歳入を増やし、強制歳出削減が歳出を減らしている。また中国や欧 州の成長をめぐる懸念から、世界の投資家は米国を選好している」と述 べた。

原題:Yen Drops on Risk Demand Tied to BOJ; Aussie Falls on China Data(抜粋)

◎米国株:小幅安、S&Pの米格付け見通し引き上げと中国統計が材料

10日の米国株は小幅安。前営業日まで2日間のS&P500種株価指 数の値上がりは1月以来で最大だった。格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)が米国の信用格付け見通しを引き上げた一方、 中国で発表された工業生産統計が予想を下回った。

アップルは下落。同社はストリーミング音楽サービスを発表した。 住宅建設株も安い。債券利回りの上昇に加え、JPモルガン・チェース が住宅建設業者レナーの投資判断を引き下げたことが嫌気された。一 方、外食産業最大手マクドナルドは上昇。予想以上に良好だった5月の 既存店売上高が好感された。1ドルメニューや朝食メニューが米国の売 り上げを支えた。

S&P500種株価指数は0.1%未満下げて1642.81。ダウ工業株30種 平均は9.53ドル(0.1%未満)下げて15238.59ドル。

INGインベストメント・マネジメントU.S.のシニアポートフ ォリオマネジャーのデレク・サスベルド氏は「S&Pによる格付け見通 し引き上げは明らかに良好なニュースだ」と述べ、「しかし市場は政府 の財政が一段と改善しつつあることをすでに認識していた」と続けた。

先週の米国株は雇用統計でエコノミスト予想を上回る雇用増が示さ れたことが好感され、買いが膨らんだ。

米国の格付け

S&Pは米国の信用格付け「AA+」の見通しを「ステーブル(安 定的)」に引き上げた。財政をめぐるリスクが後退しているとの認識を 理由に「ネガティブ(弱含み)」から変更した。S&Pは2011年8月に 米国の格付けを最上級の「AAA」から引き下げた。格下げは世界的な 株価下落を引き起こした一方、質への逃避で米国債は買われ、利回りが 過去最低を更新した。

セントルイス連銀のブラード総裁は、インフレ率が当局目標の2% を下回っていることから、成長加速および失業率低下に向け「積極的」 な債券購入の長期化が正当化されるとの認識を示した。

総裁は10日、モントリオールでのパネル討論会に出席。事前に配布 された原稿によれば、「労働市場の状況は昨年の夏以降に改善してい る」とした上で、「驚くほど低いインフレ指標は、連邦公開市場委員会 (FOMC)が積極的な購入プログラムをより長期にわたり維持可能な ことを意味している可能性がある」と指摘した。

中国の5月の工業生産はエコノミスト予想中央値を下回る前年同月 比9.2%増にとどまった。輸出は10カ月ぶりの低い伸びにとどまり、輸 入は予想に反して減少した。

S&P500種の下げに備えたオプションのコストを示すシカゴ・オ プション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は2%上 昇し15.44。VIXは約80%の確率でS&P500種と反対方向に動く。

アップル下落

アップルは0.7%安。一時は1.7%高となる場面もあった。同社は開 幕した年次開発者会議(WWDC)で「アイチューンズラジオ」を発表 した。

S&P株価指数のうち住宅建設株で構成される株価指数は2.3%下 落。構成する11銘柄はいずれも下げた。レナーは3.3%安。JPモルガ ンは同社の株式投資判断を「ニュートラル」と従来の「オーバーウエー ト」から引き下げた。

マクドナルドは1.3%上昇。5月の既存店売上高は前年同月比2.6% 増加。米調査会社コンセンサス・メトリックスがまとめたアナリストの 予想は1.9%増だった。

原題:U.S. Stocks Fluctuate After S&P Boosts Outlook for America (抜粋)

◎米国債:続落、米格付け見通し引き上げで緩和縮小観測が強まる

米国債相場は続落。30年債利回りは約1年ぶりの水準に上昇した。 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の信用格 付けの見通しを「ネガティブ(弱含み)」から「ステーブル(安定 的)」に引き上げたため、金融緩和の規模が縮小されるとの見方が強ま った。

連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会合は来週18-19日に開催 される。セントルイス連銀のブラード総裁は労働市場が改善しているも のの、インフレ率が当局目標の2%を下回っていることから「積極的」 な債券購入の長期化が正当化されるとの認識を示した。財務省は今週、 計660億ドルの中長期国債の入札を実施する。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏はS&Pの発表について、「米経済にとって明るい見通しで、少し株 買い・国債売りの材料になった」と指摘。「FOMCの政策に乗じた構 造的な買い持ちが大量にあることがリスクだ。それは良好な取引だった が、終わりに近づいていると思う」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前営業日比4ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の3.37%。一時は3.38%と2012年4月4日以来の 高水準を付けた。同年債(表面利率2.875%、2043年5月償還)価格 は5/8下げて90 23/32。

10年債利回りは4bp上昇の2.21%。一時は2.23%と、12年4月以 来の高水準に近づいた。

格付け見通し

S&Pは10日の発表文で、米国の格付けが「短期的に」引き下げら れる確率は3分の1未満と説明。いわゆる「財政の崖」問題の解決に向 けた政治合意など「暫定的な改善」が見られたと指摘した。

S&Pは2011年8月に米国の格付けを最上級の「AAA」から引き 下げた。債務上限引き上げをめぐる政治の行き詰まりや負債圧縮に向け た計画の欠如が一因だった。格下げで質への逃避から米国債は買わ れ、10年債利回りは格下げ後の2週間で2.56%から2.06%に低下した。

米国債は先週までの6週連続で下落し、週間ベースでは2009年5月 以来で最長の下げ局面となった。金融緩和の縮小観測が背景。10年債利 回りは5月1日に年初来の最低水準である1.61%を付けて以降、上昇し ている。

米金融当局は毎月450億ドル相当の米国債と400ドル相当の住宅ロー ン担保証券(MBS)を購入している。ニューヨーク連銀はこの 日、2041年2月-43年2月に償還を迎えるインフレ連動国債 (TIPS)を13億8000万ドル相当購入した。

縮小予想

ブルームバーグが先週まとめたエコノミスト調査によれば、金融当 局は月間の資産購入総額を10月に650億ドルに減らすと予想されてい る。

財務省は11日に320億ドル規模の3年債、12日に210億ドル規模の10 年債、13日に130億ドル規模の30年債の入札を実施する。

ブラード総裁は「米国ではインフレは意外にも低下傾向にある」と 指摘した。

総裁はモントリオールでのパネル討論会に出席。事前に配布された 原稿によれば、「労働市場の状況は昨年の夏以降に改善している」とし た上で、「驚くほど低いインフレ指標は、FOMCが積極的な購入プロ グラムをより長期にわたり維持可能なことを意味している可能性があ る」と指摘した。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「金 融当局が緩和を縮小するかどうかではなく、その時期と規模が問題にな っており、市場はそれを見極めることになる」と語った。

原題:U.S. 30-Year Yield at Highest Since 2012 as Fed Bets Rise on S&P(抜粋)

◎NY金:反発、2週ぶり安値から反転-アジアで需要高まるとの観測

ニューヨーク金先物相場は反発。一時はほぼ2週間ぶり安値をつけ たものの、アジアで価値保存手段としての金の需要が増加するとの観測 が強まり、上げに転じる展開となった。

中国当局は金に裏付けされた上場取引型金融商品(ETP)2本を 認可した。ドイツ銀行はシンガポールで最大200トンの保管能力を持つ 金の保管施設を開設した。同行にとってはロンドン以外で最大の保管施 設となる。

RJオブライアン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品 ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話取材に対し、「現在の価格 水準では現物需要の強さが続くと予想されている」と指摘。「安全逃避 の買いもみられる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前週末比0.2%高の1オンス=1386ドルで終了。一時は1375.10ド ルと、中心限月としては5月28日以来の安値となった。

原題:Gold Rises From Two-Week Low on Bets Demand Will Climb in Asia(抜粋)

◎NY原油:反落、中国の工業生産が予想ほど伸びず

ニューヨーク原油先物相場は反落。世界2位の石油消費国である 中国で工業生産の伸びが予想を下回ったことが影響した。

9日に国家統計局が発表したところによると、5月の工業生産はエ コノミスト予想中央値(9.4%増)を下回る前年同月比9.2%増にとどま った。北海バザード油田で生産が再開されたことも原油先物の売りを誘 った。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「中国 の経済統計が弱気材料だった」と指摘。「ここまでの上昇を振り返っ て、やや急ぎ過ぎたのではないかとの思いが広がり始めている。特に中 国の経済状況を考えればなおさらだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限は前営業 日比26セント(0.27%)安の1バレル=95.77ドルで終了した。

原題:Crude Declines From Two-Week High on Chinese Industrial Output(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-英バルフォア高く、セバーン・トレント急落

10日の欧州株式相場は方向感のない取引の中、前週末からほぼ変わ らずとなった。日本の1-3月(第1四半期)国内総生産(GDP)が 速報値から上方修正された一方、中国の輸出は急激に伸びが鈍化した。

英建設会社バルフォア・ビーティーは4.8%上昇。英建設部門の責 任者を指名し、契約を獲得したことが買い材料。一方、英水処理サービ ス会社、セバーン・トレントは約1年ぶりの大幅安。買収案を拒否した ことが嫌気された。英アングロ・アメリカンと英豪系リオ・ティントを 中心に鉱山株も下げた。銅相場がロンドン市場で3営業日続落したこと が要因。

ストックス欧州600指数は前週末比0.1%未満安の295.22で終了。格 付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の信用格付 け「AA+」の見通しを「ステーブル(安定的)」に引き上げたことを 手掛かりに、同指数は一時0.3%高となった。

クオニアム・アセット・マネジメント(フランクフルト)のソーレ ン・シュタイネルト氏は電子メールで「上昇後は値固めしており、取引 高は平均を下回っている」と指摘。「個別銘柄の株価に影響を及ぼし得 るような企業ニュースは全くない。極めて好調だった日本の株式相場や 同国のマクロ経済指標への関心もほとんどないようだ」と記した。

ブルームバーグがまとめたデータによると、ストックス欧州600指 数のこの日の売買高は30日平均を7.4%下回った。

10日の西欧市場では18カ国中12カ国で主要株価指数が下落。ギリシ ャのアテネ総合指数は4.7%急落した。

原題:European Stocks Are Little Changed; Balfour Jumps, Severn Sinks(抜粋)

◎欧州債:イタリア債下落、鉱工業生産とGDPで-英独債も下げる

10日の欧州債市場ではイタリア国債が下落。4月の鉱工業生産が 減少したほか、1-3月国内総生産(GDP)が先の見積もりより悪化 したことを背景に、同国債の需要が後退した。

イタリア10年債利回りは4月以来の高水準に接近。同国のリセッシ ョン(景気後退)が深刻化しているとの懸念が強まった。スペイン国債 も下落。銀行救済プログラムの資金を同国が利用する期限が延長される 可能性があると、スペイン紙パイスが報じた。ドイツ10年債も値下がり し、利回りは約3カ月ぶり高水準となった。

サンライズ・ブローカーズの債券調査担当エグゼクティブディレク ター、ジャンルカ・ジグリオ氏(ロンドン在勤)は「指標発表後にイタ リア国債に対してネガティブな反応が幾らかあったようだ」とし、「経 済データは極めて悪い内容で、これが国債への圧力をやや高めた」と語 った。

ロンドン時間午後4時36分現在、イタリア10年債利回りは前週末 比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.30%。6日に は4.39%と、4月5日以来の高水準を付けた。同国債(表面利 率4.5%、2023年5月償還)価格はこの日、0.83下げ101.985。

イタリア国家統計局(ISTAT)によれば、4月の鉱工業生産は 前月比0.3%減少。3月は0.9%減だった。1-3月GDP成長率は前期 比マイナス0.6%と、5月15日公表の速報値(マイナス0.5%)から下方 修正された。

スペイン10年債利回りは5bp上昇し4.60%。先週は11bp上げて いた。同年限のイタリア国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は 6bp縮小し30bp。

ドイツ10年債利回りは前週末比4bp上昇の1.59%。これは2月25 日以来の高水準。

英国債相場は下落し、10年債利回りは3カ月ぶり高水準となった。 英政府は今週、入札で計60億ポンド相当の国債を発行予定。第1弾を11 日に実施する。

利回りはロンドン時間午後4時26分現在、6bp上昇し2.13%。2 月25日以来の高水準となる2.14%まで上げる場面もあった。同国債(表 面利率1.75%、2022年9月償還)価格は0.5下げて96.825。

原題:Italian Bonds Fall as Production Declines; Germany’s Bunds Drop(抜粋) U.K. Gilt Yields Rise to 3-Month High Before This Week’s Sales (抜粋)

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