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米国債:続落、米格付け見通し引き上げで緩和縮小観測強まる

米国債相場は続落。30年債利回りは 約1年ぶりの水準に上昇した。格付け会社スタンダード・アンド・プア ーズ(S&P)が米国の信用格付けの見通しを「ネガティブ(弱含 み)」から「ステーブル(安定的)」に引き上げたため、金融緩和の規 模が縮小されるとの見方が強まった。

連邦公開市場委員会(FOMC)の定例会合は来週18-19日に開催 される。セントルイス連銀のブラード総裁は労働市場が改善しているも のの、インフレ率が当局目標の2%を下回っていることから「積極的」 な債券購入の長期化が正当化されるとの認識を示した。財務省は今週、 計660億ドルの中長期国債の入札を実施する。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏はS&Pの発表について、「米経済にとって明るい見通しで、少し株 買い・国債売りの材料になった」と指摘。「FOMCの政策に乗じた構 造的な買い持ちが大量にあることがリスクだ。それは良好な取引だった が、終わりに近づいていると思う」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前営業日比4ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)上昇の3.37%。一時は3.38%と2012年4月4日以来の 高水準を付けた。同年債(表面利率2.875%、2043年5月償還)価格 は5/8下げて90 23/32。

10年債利回りは4bp上昇の2.21%。一時は2.23%と、12年4月以 来の高水準に近づいた。

格付け見通し

S&Pは10日の発表文で、米国の格付けが「短期的に」引き下げら れる確率は3分の1未満と説明。いわゆる「財政の崖」問題の解決に向 けた政治合意など「暫定的な改善」が見られたと指摘した。

S&Pは2011年8月に米国の格付けを最上級の「AAA」から引き 下げた。債務上限引き上げをめぐる政治の行き詰まりや負債圧縮に向け た計画の欠如が一因だった。格下げで質への逃避から米国債は買わ れ、10年債利回りは格下げ後の2週間で2.56%から2.06%に低下した。

米国債は先週までの6週連続で下落し、週間ベースでは2009年5月 以来で最長の下げ局面となった。金融緩和の縮小観測が背景。10年債利 回りは5月1日に年初来の最低水準である1.61%を付けて以降、上昇し ている。

米金融当局は毎月450億ドル相当の米国債と400ドル相当の住宅ロー ン担保証券(MBS)を購入している。ニューヨーク連銀はこの 日、2041年2月-43年2月に償還を迎えるインフレ連動国債 (TIPS)を13億8000万ドル相当購入した。

縮小予想

ブルームバーグが先週まとめたエコノミスト調査によれば、金融当 局は月間の資産購入総額を10月に650億ドルに減らすと予想されてい る。

財務省は11日に320億ドル規模の3年債、12日に210億ドル規模の10 年債、13日に130億ドル規模の30年債の入札を実施する。

ブラード総裁は「米国ではインフレは意外にも低下傾向にある」と 指摘した。

総裁はモントリオールでのパネル討論会に出席。事前に配布された 原稿によれば、「労働市場の状況は昨年の夏以降に改善している」とし た上で、「驚くほど低いインフレ指標は、FOMCが積極的な購入プロ グラムをより長期にわたり維持可能なことを意味している可能性があ る」と指摘した。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「金 融当局が緩和を縮小するかどうかではなく、その時期と規模が問題にな っており、市場はそれを見極めることになる」と語った。

原題:U.S. 30-Year Yield at Highest Since 2012 as Fed Bets Rise on S&P(抜粋)

--取材協力:John Detrixhe.

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