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ANA:エアアジアジャパン再生への最善策を検討、合弁解消も選択肢

ANAホールディングスは現在、傘 下の格安航空会社(LCC)エアアジア・ジャパンの成長に向けた方策 を検討している。この中には、同社に49%出資しているマレーシアの格 安航空会社エアアジアとの合弁解消も選択肢のひとつとして視野に入れ ており、今後検討を重ねてベストの方策を決めるとしている。

ANAHDの広報担当者、野村良成氏は「現時点で、エアアジアと の間でエアアジアジャパンの合弁事業解消について決まった事実はな い」とブルームバーグ・ニュースの電話取材に対して語った。その上 で、どのような形になっても、成田国際空港発のLCC事業は「ANA が責任をもって継続することに変わりはない」と付け加えた。

10日付の日本経済新聞夕刊は、エアアジアがANAとのLCC事業 の提携を解消する方針を固めたと報じた。エアアジア・ジャパンの業績 低迷が原因としている。10月末までは同ブランドで運航継続し、その後 はANAが完全子会社化する見通しという。

エアアジア・ジャパンの広報担当者、今井久美子氏は「数カ月前か ら複数回にわたり、株主であるANAとエアアジアが事業の改善に向け 協議していたのは事実」と語った。一方で、「提携解消の話は現時点に おいて決まったとの報告は受けていない」とし、今後の株主間協議の推 移を見守ると述べた。

日系LCC3社目として就航も苦戦

エアアジア・ジャパンは2011年8月に、ANAHDの前身となる全 日空が51%、残りをエアアジアが出資して設立されたLCC事業会社。 日本ではANA系で関西国際空港を拠点とするピーチ・アビエーショ ン、日本航空系のジェットスター・ジャパンに続き日本では3社目の LCC会社として12年8月からまず国内線で運航を開始した。

エアアジアジャパンは、過半の資本をANAが負担、ブランドやロ ゴ、サービス方式についてはエアアジアの方式を採用し、格安航空とし て成田空港と中部国際空港の2個所を拠点に事業を展開中。現在は、国 内便と韓国ソウルと釜山への就航を実施し、7月から新たに台北線も就 航させる計画。

ただ、先行したピーチやジェットスターとの比較では、搭乗率でや や苦戦しており、エアアジアとANAの間でテコ入れのための協議が行 われていた。また、エアアジアのトニー・フェルナンデス最高経営責任 者(CEO)がエアアジアジャパンの業績不振について各所で不満を漏 らしていた。

エアアジア・ジャパンが発表した、ことしのゴールデンウィークの 搭乗率実績によると、国内線は67.6%、国際線は61.2%だった。この成 績は国内線では3社の中では最下位だった。トップはピーチで91.3%。 また、国際線でもピーチが84.1%とエアアジアジャパンとの間で大きく 差が出た。

現在も業績改善に向けた取組も

小田切義憲社長兼CEOは5日のインタビューで、現在4機のエア バスA320保有を年度末にも10機程度とすることで「相対的にコスト が下がり収益性が改善する」との見通しを語っていた。また、黒字確保 のためには、約80%を超える搭乗率が必要だとし、現在は搭乗率引き上 げに向けた方策を含めた中期経営計画を策定中だとしていた。一方で、 株主間の資本をめぐる問題は、株主である両社に任せており、自身は業 績改善に注力するだけと答えていた。

ANAHDの伊東信一郎社長は5月の定例会見で、エアアジアジャ パンについては「知名度が低いことで苦戦している」と認めた上で「旅 行代理店を活用したチケット販売や日本人には不評とされる同社のウェ ブページの見直しなどに着手している」と語っていた。

バークレイズ証券の姫野良太シニア・アナリストは「このままジリ 貧の状態を長く続けるよりも、ANAは資本政策まで含めた思い切った 施策を取ることは正しい選択だ」との見方を示す。その上で、ANAが 展開しているピーチは高い搭乗率を確保できており、そのノウハウを投 入すれば、ある程度までは業績も上振れする可能性はあると語った。

ただ、姫野氏は、規制の多い日本、特に成田空港でLCC事業を成 功させることは極めて難しく、事業会社の経営努力だけではなく、アベ ノミクスの政策などによる行政側の政策面からの大胆な支援なども必要 となるだろうと付け加えた。

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