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円が下落、日本株反発でリスク回避圧力後退-対ドルで98円台

東京外国為替市場では円が下落。日 本株の大幅反発を背景にリスク回避に伴う円高圧力が後退するとの見方 が広がり、円を売る動きが優勢となった。

ドル・円相場は朝方に1ドル=97円台半ばから一時98円43銭まで円 売りが先行。その後、国内経済指標が予想を上回ったこともあり、いっ たん97円70銭付近まで値を戻したが、午後には再び円がじり安となり、 2営業日ぶりの円安水準となる98円44銭を付けた。

三菱UFJモルガン・スタンレー 証券の植野大作チーフ為替スト ラテジストは、米量的緩和の早期出口期待は少し遠のいたが、5月の米 雇用統計の内容を受け、「早期でなくても、遅かれ早かれどこかではや るだろうという期待は維持された」と指摘。一方、「日本に関してはそ のうちまた追加緩和をやるのではないかという雰囲気がある」と話し た。

ブルームバーグ・データによると、円は主要16通貨中14通貨に対し て前週末終値比で下落。先週は株価の下落を背景に全面高となってい た。一方、ドルは先週ほぼ全面安となっていたが、この日の東京市場で はほとんどの通貨に対して堅調な展開となった。

10日の東京株式相場は4営業日ぶりに大幅反発。TOPIXは前週 末比55.02ポイント(5.2%)高の1111.97で引けた。

米雇用統計

先週末発表された5月の米雇用統計では、失業率が上昇した一方、 非農業部門雇用者数の伸びはエコノミスト予想を上回った。

米雇用統計を受け、前週末の海外市場でドル・円は乱高下。一時95 円を割り込み、4月4日以来の円高水準となる94円99銭を付ける場面が あった。もっとも、米国株が上昇する中、その後はドル買い・円売りが 優勢となり、週明けの東京市場でもこうした流れが続いた。

ユーロ・円相場も前週末に一時、1ユーロ=126円18銭と4月16日 以来の水準まで円高が進行。しかし、引けにかけては129円ちょうど付 近まで値を戻し、週明けの取引では一時129円99銭まで円売りが進ん だ。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、強弱まち まちの米雇用統計の結果により、「一部に残っていた6月中の米QE (量的緩和)縮小に対する期待は消えてしまった」とし、「株も上昇 し、全般的にリスクオンの方向に為替は動く形になった」と説明した。

一方で、「QEが6月に縮小される可能性は低くなったとはいえ、 QE縮小がいつぐらいなのかという関心は残っているはず」とジェルベ ズ氏は指摘。今月下旬に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)に 向けては引き続き「思惑が交錯する」との見方を示した。

日銀会合

朝方発表された4月の日本の経常収支は前年同月比で2倍の7500億 円の黒字となった。黒字額は3カ月連続で市場予想を上回った。また、 1-3月期の国内総生産(GDP)改定値は物価変動の影響を除いた実 質で前期比年率4.1%増と、速報値から上方修正された。

日本銀行はきょうから2日間の日程で金融政策決定会合を開催。ブ ルームバーグ・ニュースが日銀ウオッチャー17人を対象とした調査では ほぼ全員が現状維持を予想している。期間1年を超える資金供給オペ、 足元の金利上昇を抑制するためのいわゆる「シグナルオペ」の期間延長 が議論になるとみられている。

上田ハーロー外貨保証金事業部の黒川健氏は、日銀の決定会合を控 えて、市場には「来月の参院選をにらんで何らかのアクションを期待し ている向きもあり、具体化すれば円高は一旦は歯止めがかかる」と指摘 した。

円とユーロの売り越しが縮小

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイ ル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)のドル・円先物取引非商業 部の円の売り越し幅は4日時点で8万2744枚だった。2007年7月以来の 高水準となった前週(5月28日時点)の9万9769枚から縮小した。

また、ユーロ・ドル先物取引非商業部門のユーロの売り越し幅は5 万1621枚となり、前週の8万4644枚から縮小した。

ユーロ・ドル相場は6日に一時、1ユーロ=1.3306ドルと2月25日 以来の水準までユーロ高・ドル安が進行。週末にかけては1.32ドル台前 半まで値を切り下げ、週明けの東京市場では午後の取引で1.3200ドルを 割り込む展開となった。

--取材協力:Masaki Kondo. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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