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日本株ことし最大上げ、米雇用伸びや円高一服を好感-全面高

東京株式相場は4営業日ぶりに大幅 反発した。米国の5月の雇用統計で雇用者数が予想以上に伸びたことや 為替の円高一服を受け、東証1部銘柄の9割以上が上げる全面高。自動 車や電機など輸出関連、鉄鋼など素材関連、証券など金融株の上げが目 立ち、33業種全てが高い。

TOPIXの終値は前週末比55.02ポイント(5.2%)高 の1111.97、日経平均株価は636円67銭(4.9%)高の1万3514円20銭。 TOPIXの終値での1100回復は4日ぶりで、TOPIXと日経平均の 上昇率は東日本大震災直後の2011年3月16日以来、2年3カ月ぶりの大 きさ。

富国生命保険の山田一郎株式部長は、「米国の雇用統計は適度な内 容だった」と指摘。為替が一時的なドル安・円高水準から「3円も円安 方向へ戻っており、チャートの長い下ひげから判断しても、円高局面は 先週末で止まったとの見方がある」と話した。

米労働省が7日に発表した5月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数は前月比17万5000人増加と、ブルームバーグがまとめたエコノミ ストの予想中央値16万3000人増を上回った。5月の家計調査に基づく失 業率は7.6%(前月7.5%)に上昇した。

雇用統計を受け、同日の米ダウ工業株30種平均は207ドル高と急 伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は同 統計について、「非農業部門雇用者数がコンセンサスよりやや強めだっ たが、失業率は上昇し、前月分の非農業部門雇用者数は下方修正され た」と指摘。総合的に見れば、「雇用改善は続いているが、直ちに米金 融政策が出口に向かうほど強くはなかった」と受け止めていた。

前週末のニューヨーク為替市場では、雇用統計後に円が対ドルで一 時94円99銭と2カ月ぶりの水準まで急激な円高が進んだが、その後は反 転。10日の東京市場では一時98円40銭台と、7日の東京株式市場の終了 時96円79銭に比べドル高・円安方向で推移した。

急激下げの反動も

前週の日本株は、為替の円高傾向や安倍政権の成長戦略への失望な どから、11月中旬以降のアベノミクス相場下で最大の週間下落率を記 録。日経平均は25日移動平均線からの下方乖離(かいり)が9.8%に達 するなど、「下げのスピードは速かった」と富国生命の山田氏は強調。 急激な下げの反動も出やすかった。

日本銀行はきょう、あすと金融政策決定会合を開催。日銀会合で長 期金利に対し何らかの対策が出るとの期待感がある、と岩井コスモ証券 投資情報部の堀内敏一課長は言う。市場のボラティリティ(変動性)は 高いが、「注目の米雇用統計を通過し、日銀会合を経て方向性としては 多少落ち着いてくるのではないか」と同氏は予想する。

上げが大きかった株価指数の派手さに対し、東証1部の売買代金は 前週末比で減っており、買い戻し主導の相場色彩も濃かったようだ。前 週末の米債券市場では、雇用統計での雇用者数の伸びが材料視され、10 年債利回りは2.17%まで上昇。「米金融政策は出口に一歩近づいたイメ ージがあり、日本株の上値の重さを注意しておく必要がある」と、三菱 Uモルガン証の藤戸氏は話していた。

業種別33指数の上昇率上位は輸送用機器、鉄鋼、ゴム製品、証券・ 商品先物取引、情報・通信、石油・石炭製品、非鉄金属、サービス、電 機、金属製品など。売買代金上位では東京電力やトヨタ自動車、ドイツ 証券が投資判断を上げた野村ホールディングスが急伸。半面、米電力会 社が原子力発電所の廃炉に伴う損害賠償を求める方針を示し、三菱重工 業は急落した。

きょうの取引開始前に発表された日本の1-3月期の国内総生産 (GDP)改定値は、物価変動の影響を除く実質で前期比年率4.1%増 と、速報値と市場予想の3.5%増をともに上回った。

東証1部の売買高は概算で32億5193万株、売買代金は同2兆5761億 円。値上がり銘柄数は1670、値下がりはわずか39にとどまった。

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