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円は全面高、対ドルで2カ月ぶり高値-GPIF計画めぐり伸び悩みも

東京外国為替市場では円が全面高と なり、対ドルでは一時4月初旬以来の高値を付けた。前日の海外市場の 円買いの流れを引き継いだ。麻生太郎財務相が介入の可能性に否定的な 発言をしたことも円買いを促した。

午後4時29分現在の円は主要16通貨全てに対して上昇。ドル・円相 場は日本株が午後に下げ幅を拡大した際に1ドル=95円55銭と2カ月ぶ りの円高値を付けた。その後に年金積立金管理運用独立行政法人( GPIF)が中期計画の変更を発表すると伝わり株価が下げ渋ると、円 が伸び悩む場面があった。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 相場の動きについて、「きのうの海外で急落した流れが続いている。海 外勢は麻生財務相の介入、法人税引き下げに否定的な発言にも反応して ドル・円を売っているようだ。米雇用統計については、ADPも弱めだ ったので楽観できない」と話した。

麻生財務相は午前の閣議後の会見で、円相場について、「値動きが 激しいと思う」との認識を示した上で、「注視はしているが、それによ って介入するとか直ちに何かを今するつもりはない」と述べた。

この日の相場は株価動向にも反応した。安く始まった日経平均株価 が下落幅を縮小する際には、円が対ドルで97円52銭前後まで売られた。 午後もGPIFの中期計画の変更に絡む報道で株価が持ち直すと、円売 りが強まった。

量的緩和縮小観測

三菱東京UFJ銀行の武田紀久子シニアアナリスト(ロンドン在 勤)は、ドルの先高観が浸透していたが、足元では米国の量的緩和縮小 もそれほど早くはないとの見方が「コンセンサスな受け止め方だと思 う」と指摘。ドル・円については「過去半年で値幅25円、率で30%と、 異次元的円安が進んできたわけなので、これにガス抜きが入ったところ で、ちょっと下値固め、もみ合う時間帯に差しかかった」とみている。

ADPリサーチ・インスティテュートが5日に発表した米民間部門 の雇用者数の増加幅が市場予想を下回ったことなどから、この日に米労 働省が発表する雇用統計に対して注目が集まっている。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 5月の米雇用統計で、非農業部門の新規雇用者数は16万3000人となった もよう。4月は16万5000人だった。失業率は4年ぶり低水準の7.5%を 維持したとみられている。

上田ハーロー外貨保証金事業部の黒川健氏は、「市場の大半は、直 前の米雇用関連指標の悪化を受けたネガティブ予想に変化しつつあり、 売りが先行しているため、予想通りの結果となった場合でも、ドルが買 われる可能性がある」と指摘していた。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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