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債券先物は上昇、円高・株安受け-GPIF中期計画見直しを警戒

債券市場で先物相場は上昇。外国為 替市場での円高基調や株安が買い手掛かり。一方、厚生労働省が年金積 立金管理運用独立行政法人(GPIF)の中期計画の変更で説明すると 伝わり、午後に入って長期債を中心に売りが優勢となった。

東京先物市場で中心限月の6月物は前日比39銭高の143円41銭で取 引開始。午後に入ると円高・株安を受けて水準を切り上げ、一時は143 円52銭と日中取引で5月10日以来の高値を付けた。しかし、直後から水 準を切り下げ、142円73銭まで下げた。取引終盤に再び上昇に転じて、 結局は9銭高の143円11銭で引けた。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は、「円高・株安で債券市場には買いが先行した」と説明。日銀の長期 国債買い入れオペについては「強かった印象だ。特に残存期間5超10年 以下は強かった」と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の329回債利回 りは同2.5ベーシスポイント(bp)低下の0.81%で始まり、いった ん0.80%まで低下。午後に入ると水準を切り上げ、一時0.875%まで上 昇し、午後3時すぎから0.86%で取引された。新発5年物の111回債利 回りは3bp低い0.265%と5月10日以来の低水準を付けた後、一 時0.30%に上昇。その後は横ばいの0.295%で推移した。

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、 「GPIFの会見報道でポートフォリオ戦略の見直しに絡む思惑から10 年債に売りが出たことが午後急落の要因だろう。一方で中期債には買い がっていたようだ」と話した。

GPIFは7日、中期計画の変更について発表した。運用資産の基 本ポートフォリオ比率に関し、国内債券を従来の67%から60%に、国内 株式を11%から12%に、外国債券を8%から11%に、外国株式を9%か ら12%に見直した。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「国内債券の比率 を引き下げたことで債券需給にはマイナス。リスク資産を増やすので株 式や外貨建て資産にはプラス要因。1%変われば1兆円が動く」と説 明。ただ、「時価評価である程度増えている分を追加した形で、実際に 大きく買うことにはならない可能性がある。外貨建て債券も円安が進 み、時価評価が上昇しているので、現状を追認する格好ではないか。昨 年12月末時点での時価評価では国内債は60%なので、大きなインパクト はない」とも話した。

東京外為市場で円は対ドルで上昇。一時は1ドル=95円台半ばと4 月初め以来の円高水準となった。東京株式市場でTOPIXは前日 比1.3%安の1056.95で引けた。

日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペ(総額8000億円)で は、応札倍率が残存期間「5年超10年以下」、「10年超」ともに前回か ら低下。国債市場で中長期、超長期ゾーンで潜在的な売り需要が弱まっ ていることを示した。

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