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中国の5月輸出、伸び率は前月の半分にも-不正取り締まりで

中国当局が資金の流れを偽装する企 業の不正な輸出送り状を取り締まることにより、中国の貿易統計の数字 は縮小する公算が大きい。これで世界需要の弱さが浮き彫りとなり、経 済成長の重しになる見通しだ。

ブルームバーグ・ニュースが集計したエコノミスト34人の予想中央 値によれば、8日に発表される5月の中国輸出は前年同月比7.1%増 と、伸び率は前月の14.7%増の半分以下に鈍化したもよう。5月の輸入 は6.9%増と、前月の16.8%増から減速が見込まれている。

事業会社や銀行の虚偽データの取り締まりに当局が成功すれば貿易 統計の信頼回復につながる一方、李克強首相にとってはより正確な数字 で成長の軸足を国内消費にシフトすることの緊急性も浮かび上がる可能 性がある。貿易の鈍化により、今年の成長目標達成の助けになるであろ う追加刺激策に消極的な李首相の姿勢が試されるかもしれない。

野村ホールディングスの中国担当チーフエコノミスト、張智威氏 (香港在勤)は「中国国家外為管理局(SAFE)による不正送り状の 取り締まりで、水増しされた輸出の伸びは実際のトレンドに押し下げら れるだろう。実際は1桁だ」と指摘。ただより広範に見ると、中国経済 は「減速しつつあるものの、崩れてはいない」とも語った。同氏は5月 の中国輸出を前年同月比5%増と予想している。

水増し疑惑

先月の別の調査でエコノミストは、1-4月の中国輸出の伸び率は 4-13ポイント水増しされているとの見方を示している。エコノミスト は1-4月の輸出の伸びは前年同期比8.5%(15人の中央値)と、税関 総署が発表した17.4%の半分にも満たなかったとみている。同期間の輸 入については8.25%増(14人の中央値)と、公式発表の10.6%増を下回 る伸びだっとエコノミストは指摘する。

中国政府発表の製造業購買担当者指数(PMI)では、新規輸出受 注が拡大と縮小の境目を示す50を過去5カ月のうち4カ月について下回 っている。

5月の中国輸出の伸びが鈍化すれば、貿易決済を装って投機資金が 中国に流入するのを取り締まる方針を示したSAFEの発表が影響した 可能性がある。SAFEは先月6日、貨物と資金の流れが一致しない場 合や、国内への現金流入が大きい企業に対し警告のための通知を発送す ると発表。同22日には銀行に対し、輸出を装った資金流入に利用が疑わ れる特区に関連する通関書類について検査の改善を求めた。

中国政府系投資銀行、瑞東金融市場の中国担当チーフエコノミス ト、スティーブ・ワン氏(香港在勤)は、特区での水増しが5月の統計 を引き続きつり上げた可能性が高いと指摘。5月の輸出は恐らく前年同 月比9.3%増だろうが、特区での水増し分を除けば実際は4.6%増程度か もしれないと語った。

原題:China Export Growth Seen Halved in Fake-Data Crackdown: Economy(抜粋)

--取材協力:Cynthia Li、Ailing Tan、Sarina Yoo.

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